Creation-165号
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会を学生に与えることです。言葉は悪いですが、知名度の低い企業、ハードなイメージのある業界への理解を学生に求めていくことに力を入れています。 このように決して楽観できない状況ではあるものの、先に述べたように松山大学は厳しい時代にあっても健闘しているという背景には、本学を卒業し、社会で活躍する先輩たちの存在も大きな後押しとなっています。現在、各企業で活躍している先輩たちが「松山大学の卒業生は実践で能力を発揮している」という評価を獲得しており「採用するなら松山大学の卒業生を」と言ってくださる企業もたくさん存在しています。さらに実際に卒業生を採用している企業から、追加の募集をいただくケースも多々あります。今年度についても、今春卒業の4年次生の就職活動が終わった昨年秋以降、追加募集のお話をいくつもいただいています。その企業のほとんどは、過去に本学からの採用をしている企業です。つまり本学が輩出した人材の評価が松山大学そのものの評価となり、先輩たちのがんばりが次の採用ニーズを生み出してくれたと言っても良いでしょう。 このほか、今年度に関していえば、これまで本学からの採用実績のない企業からのオファーもいただきました。その理由をお尋ねしたところ「取引先などから松山大学の卒業生の良い評判を聞いたから」とのことで、私は大変うれしく思っています。「三実主義」をモットーに培ってきた長い歴史、そこで育まれた豊かな人間性、そして知識や技能が、厳しい時代だからこそよりいっそう評価を受けたのだといえます。今後もこの良き伝統が受け継がれて行くことを切に願ってやみません。 最後に、不景気のため、採用先企業数は時代を反映して減少していますが、企業は決して採用を諦めてはいません。これはバブル経済崩壊時に採用を見合わせた際、企業に人材の断層が生じ、さまざまな悪影響があったからです。そこで採用そのものはやめたくない、しかし状況を鑑みて人数は抑えようという傾向です。従って、企業にとって魅力的な人材であれば採用は叶うのです。現役の学生たちには、本学で過ごす期間に「企業にとって魅力的な人材になる」という目標を叶えて欲しいと切に願います。 本学の卒業生は製造業、卸・小売業、金融・保険業、サービス業への就職が多かったのですが、金融・保険業以外の求人は目に見えて減っています。一方で今年度の就職内定率を規模別で見ると、若干ではありますが大企業の占める割合が高まっています。また愛媛の内定が減っている反面、東京を含めた県外での内定が増えています。業種や地域を絞った就職活動は、可能性を狭めることにもなりかねません。広い視野を持って、自分の方向性を決めて欲しいと思います。 これは手前味噌ではありますが、松山大学の卒業生も現役の学生も企業からの評価は非常に高いのです。唯一、自己表現を苦手とする傾向が見て取れますので、それへの対策もしっかりと実践して欲しいですね。●OB・OGの存在が後押し社会で高い評価を受ける松山大学の卒業生●魅力的な人材に自己表現力を身につけて企業に求められる人材に■ 学科別就職者数■ 就職先企業の規模別状況■ 就職先企業の業種別状況■ 就職先企業の地域別状況(従業員数 ~99人・小企業 100~499人・中企業 500人~・大企業)(*教員はサービス業に含む)2009(平成21)年度 就職状況【2010(平成22)年2月28日現在】注)現在、内定調査継続中であり、最終の数値ではありません。最終結果発表は4月下旬になります。愛媛 56%(440名)香川 11%(83名)東京 10%(76名)高知 4%(29名)岡山 3%(27名)大阪 3%(22名)広島 2%(19名)その他11%(83名)CREATION 〈No.165〉 2010 Spring

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