Creation-168号
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株式会社 エヌ・ピー・シー事業内容:太陽電池の製造装置から食品の真空パック装置まで、「真空技術」を活かした製品の開発・製造・販売事 業 所:東京本社工場、松山工場、大阪・横浜営業所、シンガポール・台湾・韓国支店グループ会社:NPC America Corporation(アメリカ) NPC Europe GmbH(ドイツ) Meier Solar Solutions GmbH(ドイツ) 恩璧希精密机械易有限公司(中国)設  立: 1992年12月代 表 者: 隣 良郎従業員数: 523名(2010年9月1日時点)資 本 金: 21億7,496万円売 上 高: 14,997百万円(2010年8月期)意した矢内さんを、社長は「最後までしっかりやれ」と後押しし、社員みんながバックアップしてくれたという。「試験は小論文と面接でしたが、高校を卒業してからずっと技術職一本でしたし、文系の勉強は全くダメで…。入学を決めてから試験までの3ヶ月間、毎週日曜日には文系出身だったうちの専務に家まで来てもらい、小論文の特訓をしてもらいました(笑)。今、授業では会計と経営管理、貿易、人的資源などを勉強していますが、特に会社で起きる問題に直結して 矢内さんはNPC松山工場の前身である太陽電池製造装置の製造会社(後にNPCへ吸収合併)の創立時に入社、以来、機械設計を行いながら管理者として工場をまとめてきた。先日、社内最年少で取締役に就任し、忙しい毎日を送る“社会人”である矢内さんが大学に進学することになったきっかけは、会社から経営について勉強をするよう勧められたことだった。 「どうせ勉強するなら本気で」と敢えてビジネススクールや専門学校ではなく大学進学を決いる内容は面白いし興味がありますね」。 授業と仕事の両立で一番大変なのは時間の配分。「時間割を組む際は、午前中に授業を集中させて午後には会社に戻れるようにするなどの工夫をすることでバランスを取ってます」。ただ、やはり責任ある立場でもあり、重要な場面では業務を優先するので、時には授業に出られないこともあるが、できるだけ臨機応変に対応することを心がけ、単位取得のペースは今のところ順調だという。「意外に普通の学生ともすんなり馴染みました。もっと抵抗されるかと思ってたのに(笑)。一緒に食事に行ったり映画を観たり。家にも何人か泊まりにきてくれて夜中まで大騒ぎしたりして。社員採用の面接官として大学生に接していたときは『最近の若い子たちは…』というのが少しありましたが、一緒に勉強していると、やることはちゃんとやるし、案外しっかり考えてるなと感じました」。 「今後は経営戦略系について学び、それを活かして会社をさらに活気づけたい」という矢内さんだが、その中には海外での工場建設や現地雇用など、グローバルな視野も含まれている。「自分が学びたいことを選び“勉強するぞ”という意思を持ってやっているので、学生時代よりも今の方が知識が身に付いているように思います。機会があるなら、社会人学生になって勉強し直すことも一つの選択肢としてお勧めしますね」。卒業までの残り2年間、会社経営の現場で活かせる知識をしっかり学び、ますます会社と地域の発展に貢献されることを期待したい。太陽電池モジュール製造装置で世界トップのシェアを誇る株式会社エヌ・ピー・シー。その松山工場長であり、取締役の矢内利幸さんは、現在、松山大学に通学する“社会人学生”2年次生でもある。経営学部経営学科2年次生株式会社エヌ・ピー・シー 取締役 松山工場長矢内 利幸さんCREATION 〈No.168〉 2011 Winter10

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