Creation-170号
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億2,172万円減少額が小さくなった状況である。帰属収支差額(帰属収入から消費支出を差し引いた金額)は、収入超過3億7,013万円となり、予算での収入超過額1億222万円と比べて収入超過が大きくなった結果となっている。(前年度決算との比較では、次年度繰越金が4,117万円減少しているが、その要因は、帰属収入3億1,749万円増、前年度繰越金3億7,167万円減、消費支出5,824万円減および基本金組入4,523万円増によるものである。)(1)消費収支決算①帰属収入は71億6,231万円、消費支出67億9,218万円、帰属収支差額は3億7,013万円の収入超過となり、今期の目標であった「帰属収支差額をプラスにすること」を達成した。②予算との比較 ・帰属収入は、寄付金や補助金、雑収入の増加と学生生徒等納 付金や手数料の減少から753万円減少している。 ・消費支出は、資産処分差額以外の項目において減少し、 2億7,544万円減少している。 ・次年度繰越金は、3億2,171万円改善され、平成21年度決算に 対して4,117万円の支出超過となった。③消費収支関係比率(帰属収入に対する割合) ・消費支出は94.8%。人件費は50.3%(目標値53%以下)、教育 研究経費34.2%(同30~39%以内)、管理経費9.6% (同7%以下)の結果である。(2)資金収支決算次年度繰越支払資金は、2億7,659万円増加して31億5,902万円となり、運転資金の余裕が拡がった。(3)純資金額現預金と減価償却引当特定資産、奨学基金の増加と借入金の返済により、純資金額は9億9,600万円増加して180億3,800万円となった。(4)資産運用運用資産の時価評価額については、簿価額の97.5%である。時価額において、会計基準に基づく減損処理(評価替)を必要とする資産はない。(5)まとめ①主な財務比率が示す指標は評価できる内容であり、健全な財務状況を示している。②各学部等や各部署、各委員会等の経費削減に対する努力により支出を抑えることができ、決算内容の良化に繋がったと考えているが、別の視点から支出構造を考えてみると、事業計画に基づいた経費見積が過不足なくなされていたかどうかの検討の必要性を感じている。③今後も教育研究を中心に堅実な経営を目指すためにも、精度の高い事業計画案の作成に努力が必要と考えている。 消費収支に関わる概要は、次の増減比較表のようになる。帰属収入753万円減少に対して、消費支出が2億7,544万円の減少とともに基本金組入も5,380万円減少したことによって、次年度繰越金が予算に比べて3Ⅰ.消費収支決算 帰属収入が予算比753万円減少して71億6,231万円となった主な要因は、学生生徒等納付金1,422万円の減少、手数料3,739万円の減少、寄付金625万円の増加、補助金222万円の増加、資産運用収入192万円の減少、雑収入3,699万円増加等である。学生生徒等納付金の減少は薬学部生の休・退学者が予測より多かったこと等によるもので、手数料の減少は、受験者数の減少により入学検定料収入が減少したものであり、寄付金の増加は現物寄付(科研費補助金に係る研究機器)の増加によるものである。補助金の増加は国庫補助金の増加であり、資産運用収入の減少は、施設設備利用料の減少によるもので、雑収入の増加は退職者の増に伴う退職金財団交付金によるものである。 消費支出が予算比2億7,544万円減少して67億9,218万円となった主な要因は、人件費1,572万円の減少、教育研究経費1億6,714万円の減少、管理経費4,461万円の減少および予備費5,000万円の減少である。一方、資産処分差額254万円の増加は転出した教員の科研費等での資産の移籍分である。 人件費の減少は、主に、教員人件費2,512万円減、職員人件費2,452万円減、退職給与引当金繰入額2,958万円の増、退職金485万円増による。 教育研究経費の減少は、主に、消耗品費2,592万円、消耗図書費813万円、光熱水費130万円、通信費214万円、旅費交通費3,148万円、印刷製本費1,686万円、修繕料635万円、保守料598万円、衛生清掃費Ⅲ.消費収支予算との差異の要因 資金収支は消費収支に連動しているので、消費収支の動向と基本的に大きな相違はないが、収入の部では、前受金収入は1,785万円増、その他の収入は5,437万円増、資金収入調整勘定393万円増、支出の部では、施設関係支出1,715万円減、設備関係支出2,005万円減、資産運用支出4,038万円増、その他の支出980万円増、資金支出調整勘定581万円増となっている。167万円、賃借料212万円、奨学費419万円、会費276万円、委託料2,599万円、報酬手数料588万円、会議費118万円、雑費668万円、海外研修費213万円、教員研究費1,601万円の減少によるものである。 管理経費の減少は、主に、消耗品費467万円、旅費交通費851万円、印刷製本費106万円、広告料261万円、会費公課186万円、委託料1,959万円、雑費2億2,796万円等の減少及び、デリバティブ運用損2億2,500万円の増によるものである。デリバティブ運用損の計上は、文部科学省より平成23年2月17日付通知により適用を指示されたもので、当期は、スワップ契約の更改実施に伴い、同時に雑収入としてデリバティブ運用益2億2,500万円を計上しており、実損ではない。 基本金組入が予算比5,380万円減少している主な要因は、建物支出1,715万円減、図書支出1,779万円減、現物寄付551万円減、恒常的支払資金組入額(第4号基本金)1,400万円減等である。 本法人が保有する純資金は約180億3,800万円と対前年度比9億9,600万円増加しているが、そのうち退職給与引当資産、第3号基本金引当資産および減価償却引当特定資産の合計159億600万円は目的に従い拘束される資産である。この内、減価償却引当特定資産は、15億400万円を薬学部設置資金として利用(平成17年度~平成19年度)し、平成19年度に不動産購入資金として 12億1,763万円を充てたが、引当資産の回復を徐々に行っている。Ⅳ.資金収支決算の状況Ⅳ.資金の状況2011財務状況報告~2010(平成22)年度決算の概要~Ⅱ.消費収支決算の状況収入の部科 目 予算額 決算額 % 差 異学生生徒等納付金収入手数料収入寄付金収入補助金収入資産運用収入資産売却収入事業収入雑収入前受金収入その他の収入資金収入調整勘定前年度繰越支払資金    合  計支出の部 人件費支出教育研究経費支出管理経費支出借入金等利息支出借入金等返済支出施設関係支出設備関係支出資産運用支出その他の支出[予備費]資金支出調整勘定次年度繰越支払資金    合  計資金収支決算総括表 (単位:千円、△ 印減) 5,757,054 5,742,827 53.3 14,227 225,019 187,627 1.7 37,392 58,232 56,920 0.5 1,312 520,895 523,121 4.8 △ 2,226 251,087 249,165 2.3 1,922 700,938 700,953 6.5 △ 15 11,107 11,621 0.1 △ 514 338,514 375,513 3.5 △ 36,999 920,574 938,424 8.7 △ 17,850 305,067 359,439 3.3 △ 54,372 △1,062,763 △1,102,061 △10.2 39,298 2,752,808 2,752,808 25.5 0 10,778,532 10,796,361 100 △ 17,829科 目 予算額 決算額 % 差 異 3,619,492 3,615,460 33.5 4,032 1,766,242 1,599,097 14.8 167,145 686,261 641,645 5.9 44,616 31,035 31,033 0.3 2 255,540 255,540 2.4 0 72,660 55,503 0.5 17,157 177,884 157,832 1.5 20,052 1,125,532 1,165,914 10.8 △ 40,382 318,424 328,231 3 △ 9,807 50,000 0 0 50,000△ 206,965 △ 212,922 △2.0 5,957 2,882,427 3,159,025 29.3 △ 276,598 10,778,532 10,796,361 100 △ 17,829消費収支決算総括表 (単位:千円、△ 印減)収入の部学生生徒等納付金手数料寄付金補助金資産運用収入資産売却差額事業収入雑収入帰属収入合計前年度繰越金    合  計科    目 予 算 額 決 算 額 % 差 異支出の部 人件費教育研究経費管理経費借入金等利息資産処分差額徴収不能引当金繰入額[予備費]消費支出の部合計基本金組入額次年度繰越金    合  計 5,757,054 5,742,827 80.2 14,227 225,019 187,627 2.6 37,392 65,232 71,485 1 △ 6,253 520,895 523,121 7.3 △ 2,226 251,087 249,165 3.5 1,922 938 953 0 △ 15 11,107 11,621 0.2 △ 514 338,514 375,513 5.2 △ 36,999 7,169,846 7,162,315 100 7,531△ 4,880,206  △ 4,880,206 △68.1 0 2,289,639 2,282,109 31.9 7,530科 目 予算額 決算額 % 差 異 3,620,572 3,604,851 50.3 15,721 2,619,203 2,452,056 34.2 167,147 734,443 689,825 9.6 44,618 31,035 31,033 0.4 2 11,876 14,416 0.2 △ 2,540 500 0 0 500 50,000 0 0 50,000 7,067,629 6,792,182 94.8 275,446 465,102 411,302 5.7 53,800△ 5,243,091 △ 4,921,376 △68.7 △ 321,715 2,289,639 2,282,109 31.9 7,530CREATION 〈No.170〉 2011 Summer18

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