Creation-170号
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先生、どうしよう?インタビューされるっていっても、過去の号に登場したゼミみたいに話せるエピソードなんてないですよ!うちは基本的に他の先生方の授業と違って、みんなで話し合ってなんとかしようっていうのはほとんどないからなぁ。してるのはムダ話だけか(笑)う〜ん…。そうだ! PCの授業なのに、先生が「しばらくPC使わないから」と言われたのに驚いた! むしろ最初はプログラミングよりコミュニケーションに関する内容が多くて。PC好きのオタクの集まり(笑)だから、そういう子たちは他人とうまく話すことができない。まずは「場」に慣れるというか、この教室内は解放区だから自分をさらけ出していいんだよって安心感を持たせなきゃ。そのためのコミュニケーションなの。プログラムやってる人は自分一人でやっちゃう人が多いけれど、それでは人付き合いができなくなるし、発想も限られちゃう。最初はチームで何かすることに慣れささなくちゃいけないの。みんなが断片的な情報が記入されたカードを持って、他人にカードを見せずに情報を伝えながら地図を完成させるって、あれもそうでしたよね。絶対にしゃべらないとダメだし、自然にまとめ役みたいな人や、おもしろい発想をする人が出てきたり。最後にまとめたものを発表する人もいて…。倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋安田倉橋コミュニケーションの場を作ったり、自分自身を振り返るような実習をやってからプログラムを組ませると圧倒的に早く完成したという他大学での実例を僕は知ってたから。これはうまくいくかもしれない、とね。僕はプログラミングよりも、むしろコミュニケーションの分野の方が得意かもしれない。ま、そればかりやってるワケにはいかないけどね。一応大学っていうのは成果を出さないといけないところなんだから(笑)やっと最近、言われたプログラムを組んでいってフレームやウインドウを作ったり、ボタンをクリックしたら何かが起きるようにしたりと、そのくらいはできるようになりました。他のゼミだったら「あの山に登ろう」って目標に向かって進むんだろうけど、僕のゼミは「まあ登る山は後から決めるとして、とりあえず登るための車を作ろう」っていう考え方。最初から小難しいプログラム言語の話から入っても面白くないでしょ。うちは希望するゼミに入れず仕方なく…っていう子の方が多いから、それなりに授業に興味を持って楽しめる工夫はしてるんですよ。プログラムができたら、できてない人に教えることでもう一度考えるし、できない人は教えてもらうことでできるようになる。まだギクシャクしてますけど、徐々に会話ができてくるようになってきましたよね。そう、それを狙ってるの!今は、これから何をしようか、どの道で車を走らせようか、というところですが、実は将来プログラムで生計を立てようとは思ってないんです。知識としては知っておきたかったですけど。自分でちゃんと道を切り開いて生きていってくれればそれでいい、っていうのが原則。とにかく人間は大人になったら日銭を稼いで生きていかなければならないんだから(笑) プログラムを学ぶって一つの武器になると思いますよ。プログラミング的な発想法、つまり、問題のあり方を掴んでそれを解決するためのアルゴリズムをどう組み立てるのかってこと。うまくいかなかったらどこに原因があるのかを特定し、それを解決する手法はどうすればいいのかって。そういう思考を身につけておくといろんな問題に対処できると思うので。僕的には、とりあえず生きてって欲しい、っていう先生の考え方は面白いと思います。「将来に向けて!」ってやりすぎちゃうと、逆に今の大切な何かを逃してしまいそうな気もしますよね。あまり形式張って「就職!就職!」とやるのも、考え方としてはよろしくないかなぁ。むしろ日銭を稼げばいいくらいに気軽にやるのもいいかもね。僕、まさにそんな感じなんですが…(笑)安田 俊一Yasuda Shunichi経済学部教授倉橋 悠馬Kurahashi Yuma経済学部経済学科3年次生CREATION 〈No.170〉 2011 Summer6

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