Creation-170号
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B・OGInterviewOB・OG インタビュー株式会社伊予銀行 人事部長  別府 孝也さんBeppu Takaya(1981年3月経済学部卒)つい熱く語りすぎてしまう情熱家企業を担う人材育成に力を注ぎたい今の学生さんは企業を選ぶとき、CMや企業イメージ、世間や友人の評判などで感覚的な比較をしている方が多いようですね。それも大切なことですが、客観的な数値で比較することがもっと重要ではないでしょうか。売上や利益の推移から将来性や健全性などを判断するなど、自分なりの基準を決めていろんな企業を比較してみてください。ました。学校で勉強したことを現場で確かめていたという感じです」。 「銀行に入りたい」という明確な目標を持って臨んだ就職活動だったが、銀行以外にもさまざまな業種の企業を30社以上訪問したという。「当時は今のように資料も豊富になかったので“唯一の頼り”が就職課のブルーファイルでした。先輩たちが残してくれたメモで企業の傾向を調べ、リストアップして工程表を作りアポイント取って…、という手作りの就職活動です。メーカーや商社、流通、いろんな企業を訪問しました。銀行志望だからと、銀行だけ回っていたのでは本当のよさは解らない。私なりの基準で企業を比較してみることで改めて銀行のよさを納得できたんです」と語る。に座っていた乗客から声を掛けられアルバイトを始めることに。それが青果市場の荷物運搬係だった。「競りで商品の値段が決められ出荷されていく、まさにマーケットの現場で知識を得る“ナマの体験”は、本当によい経験でした。急に白菜の値段が上がった、今年はネギが安いとか、この時期にはこの商品が売れるとか、価格の変動と市場の背景を教えてもらったり、仲買人が競りのときに出す指の本数を見て何となく法則を理解したり。かなりな重労働なので他の人は長続きしなかったらしいですが、僕にとっては面白くて、長期の休みの間は朝6時から14時まで毎日、4年間ずっと続け 入行後は支店を異動しながら現場で活躍。人事を担当するようになってからは7年目となるが「人」を扱う仕事の難しさを日々感じているという。「人が人を評価するにおいて絶対的な基準はありません。完璧に人を評価できる基準やシステムを開発することができたらノーベル賞ものかもしれませんね」と笑う。しかし「企業にとって一番大切なものは人材である」という信念のもと、今後は若い人をどう育てるかということについても考えていきたいと熱く語ってくれた。 株式会社伊予銀行で人事部長を務める別府孝也さんは今治市の出身。ゆくゆくは地元で就職したい、経済を学びたい、人気のある大学だからなどの理由から松山商科大学(現松山大学)に進学した。「最初から経済に関心があったのですが、当時、愛媛県の経済界における主要な民間企業の経営者は、松山商大出身という方が多かったんですよ。特にお金の動きの仕組みを知りたくて、経済原論などの基礎的な理論を中心に学びました」。そんな別府さんは、汽車での通学途中、たまたま隣席選択・決定には“比較”が必要学んだ理論を市場で実感後輩へのアドバイスCREATION 〈No.170〉 2011 Summer7

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