Creation-171号
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 松山大学では、宮城県仙台市で活動している民間ボランティア団体「津波復興支援センター」に、自転車30台を寄贈。これは、大学構内における放置自転車の処分方法を検討するなか、被災地で有効に再利用できないかという案があがり、松山大学生活協同組合、東北学院大学との連携を経て、同団体に寄贈するという形で実現したもの。 同団体は仙台市近郊沿岸部を拠点に、田畑の瓦礫撤去や民家の床はがし、流木処理など災害ボランティアを最も必要とする最前線で毎日活動。スタッフが活動場所へ向かう移動手段は自転車を主に活用しているとのことで、本学では寄贈に向けて放置自転車の整備・修理を行い、準備を進めてきた。 9月26日、30台の整備済み自転車が本学職員により貨物コンテナに積み込まれ、9月30日にはJRで東北へ届けられた。 山大学東北支援隊」では8月7~12日に第3次派遣を実施し、岩手県大船渡、陸前高田市に隣接する住田町を拠点に15名で活動しました。第1次派遣では瓦礫の撤去などが中心でしたが、今回は側溝に溜まった泥のかき出し、清掃、仮設住宅でボランティアを行うなど、活動の内容も復興の状況に応じて変わってきました。しかし、まだまだ私たちの日常とは程遠く、継続的な支援が必要であることを実感しています。第4次派遣は10月17~23日に行い、その報告会を熱田津祭で行う予定です。 今後は松山でできる支援を「松模索中で、地元企業・団体から協賛金を募るなど、息の長い支援体制を整えたいと考えています。実際、第3次派遣ではスポンサーを募り、隊員は協賛名を付けた作業着で活動しました。その運営リーダーに1年次生を抜擢するなど、代替わりしてもノウハウが共有できる体制も整え始めています。何より大切なのは、一緒に活動してくれる仲間を増やすこと。大学からも作業服や長靴など活動に必要な装備品は支給され、現地派遣の間は授業の公欠が認められるなど、バックアップも得られる活動です。常に東北の現状に目を向け、復興のために一人でも多くの学生に力を貸してほしいと思います。岩手県大船渡市にて側溝の泥出しの様子。予定していた10台を上回る30台の自転車が寄贈された。(左)松山大学東北支援隊 発起人向井 美穂さん 経済学部経済学科3年次生(右)松山大学東北支援隊 代表高山 優貴さん 法学部法学科2年次生学生に東北の現状を伝えたい今後は松山でできる支援活動も~松山大学東北支援隊の取り組み~復興に役立てるため自転車30台を東北へ学生視点報告● 復興ボランティア大学視点レポート● 放置自転車の寄贈「少しでも復興に役立ちたい」そんな想いから履修を決意~達成体験研修における亀岡健一さんの取り組み~● 復興ボランティア人文学部科目「達成体験研修」として被災地に赴く第一号となった亀岡健一さん(社会学科2年次生)。5月25~30日、宮城県石巻市にある石巻専修大学キャンパス内にあるボランティアセンターを拠点に活動した。この制度(科目)は、本学が大学生活における正課活動(ゼミナール等)や部活動には該当しない「達成体験活動(ボランティアや地域貢献を目的とした活動を含む)」を評価し単位認定するもので、事前に申請書を提出して履修が受理された場合に「達成体験報告書」等の提出を条件として2単位が認定される。 亀岡さんは石巻市立鹿妻小学校や同湊中学校を訪れ、ゴミの分別作業、トイレの清掃作業を行った。ボランティア活動を通して亀岡さんは「被災地を生で見た衝撃は筆舌に尽くしがたいものがありましたが、現地の人は希望を忘れていませんでした。お年寄りが津波で流された路側帯に植樹されていた木を元のように戻すため苗を植えている光景や、避難所にもなっている小学校の子どもたちの元気いっぱいな姿が救いでした。機会があれば、もう一度訪れたいと思っています」と振り返る。 松山を花でうめつくして東北へ笑顔の種を届けよう~学生支援準備室「PIER」の取り組み~● 復興支援フラワープロジェクト東日本大震災の被災者を支援すると同時に、街の緑化を推進することで人々の心を癒そうと、学生支援準備室「PIER(ピア)」の学生スタッフが、いよてつ髙島屋前で街頭募金ならびに植物苗の配布活動を行った。これまでに7月10・17日の2度実施し、延べ23名の学生が参加。 この活動は「学内緑化推進&東日本復興支援フラワープロジェクト~届け!! 私たちの想い。街を花でうめつくそう。~」と題し、PIERの学生スタッフが中心となって企画したもの。募金にご協力いただいた方には、学内で育てたアサガオ、ひまわり、ミニトマト、オクラの苗をプレゼントした。PIERでは、今後もこのような活動を予定している。学生視点レポートCREATION 〈No.171〉 2011 Autumn10

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