Creation-171号
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 新田邸の設計施工を請け負ったのは、長次郎温山翁の娘婿にあたる建築家・木子七郎。彼は代々、宮内省お抱えの工匠の家の出で、自身は大阪国技館や関西日仏会館のほか、愛媛県庁舎、萬翠荘なども手がけている。 建築された昭和初期はスパニッシュ建築が大流行したが、七郎は日本の生活様式にうまく溶け込ませた。庭から建物を眺めると、左半分は三角屋根をもつ中世の教会を思わせ、右半分は軒の長い町家のような趣を呈している。東西の意匠を一つの建物へと融合させた彼の感性、そして才能ある建築家を見出した温山翁の眼力には驚嘆するばかりである。~90年の時を想う~ーーーーーー松山大学は2013年に創立90周年を迎えます松山大学温山記念会館(旧新田邸)松山大学は、2007年3月13日付で財団法人大学基準協会から「大学基準」に適合している旨の評価を得ています。環境に配慮した植物油インクを使用しています。

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