Creation-174号
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2012(平成24)年度の重点事業松山大学は来年の2013(平成25)年に創立90周年の節目を迎えます。100周年へ向けて「飛躍」を合言葉に、さらに歴史と伝統を積み上げ、教育・研究や地域貢献で評価される大学を目指します。学校法人 松山大学の平成23年度決算および平成24年度予算が、所定の手続きを終えて成立しました。本学が目指す「西日本屈指の私立総合大学」を実現するための道標となる決算および予算です。詳細はホームページで情報公開しておりますので、ぜひ目を通してください。学校法人 松山大学財務担当 常務理事岡村 伸生 学校法人松山大学の平成23年度決算および平成24年度予算を含めて、本法人の現状等について、ご説明いたします。 昨今、大学を取り巻く環境の変化は著しいものがあり、各大学法人は経営を中心に据え、大学の生き残りを検討しているところも多くあります。時を同じくし、その一示として、この3月に、公益社団法人経済同友会から「私立大学におけるガバナンス改革 ─ 高等教育の質の向上を目指して ─」が提言され、今、各大学が抱えている「グローバル化と18歳人口の減少、高等教育の質の保証と向上」をどのように解決していくかを問いかけています。これは本学においても同様の課題であります。 このような中、本法人は、平成18年度に薬学部を設立し、今春第1期生の卒業を迎え102名の薬剤師国家試験合格者を輩出し、愛媛県における薬剤師の歴史に大きな一歩を刻みました。今後は、地域において更なる評価の向上と諸活動における活躍を目指し、その存在感を示すものと期待しています。その一方で、昨年3月11日に発生した東日本大震災は、人々の心に大きな傷跡を残しましたが、絆という(1)中・長期経営計画の検討 「(仮称)中長期経営スキームに基づく教育・研究施設の改築計画」として、耐震補強や耐用年数を経過しつつある建物の改修・新築計画の策定を目指します。創立90周年を契機として、樋又キャンパスの開発を含めた施設環境の整備に着手することにより、より良い教育・研究活動の充実を図ります。言葉に表されたように、人々との係わり合いを今一度考える機会となり、地域コミュニティの大切さを感じ、社会の再構築の必要性を覚えました。そして、東日本大震災の復興ボランティアとして本学の学生・教職員が微力ながらもかかわりを持ち、社会貢献に取り組みました。 さて、財務は大学の持つ本来の目的である教育・研究を維持発展させるための支えであり、教育・研究の環境整備をおこなうために体質の強化が望まれるものであります。本法人はここ3年、企業会計でいわれるところの経常利益に相当する帰属収支差額(帰属収入 - 消費支出)をプラス或は均衡にすることを目標として、収支バランスが取れるように事業計画を進めてまいりました。いわゆる黒字経営と称されるところです。また、帰属収支差額がプラスになるということは、正味財産が増加することになり、基本金組入を含め財務状況の安定化を図ることができているといえます。このことを、今回ご報告をおこなっている平成23年度決算において達成し、また平成24年度予算についてもこの目標を堅持しております。ちなみに、東洋経済新報社発刊の『週刊東洋経済:本当に(2)創立90周年事業実施準備 本年はプレイベントの実施や計画の充実を図り、創立90周年事業が100周年に向けての礎となるように、既に計画されている内容に加えて教職員や学生、温山会員等の意見を取り入れ、様々な事業展開を目指します。幅広く地域や各界からのご支援をいただきながら準備を整え、翌年の「創立90周年事業」の成功を目指します。強い大学』では、ここ2年連続ランク入り(平成22年69位、平成23年72位)しており、教育力・就職力・財務力にバランスの取れた評価を得ています。 平成24年度は、本学創立90周年におけるプレ事業の年度にあたります。平成25年度に迎える創立90周年の節目を成功裏に収めるためにも「飛躍」を合言葉に平成35年度の創立100周年に向け、歴史と伝統を積み上げ、教育・研究・地域貢献で評価を更に高めることのできる大学として発展し続けなければなりません。このためには、本法人構成員は努力を惜しむことなく、学生や卒業生、ご父母等のステークホルダーの要請に応えられる環境を構築しなければならないと考えております。  今後は、自己点検・評価を改革・改善につなげる内部質保証システムの構築が強く求められることから、諸事業については、各事業の計画・実行・評価・改善(PDCAサイクル)を、これからの事業計画書・事業報告書の中で報告する体制を整え、財務の健全化に一層の努力を重ねてまいりますので、皆様のご支援、ご理解を宜しくお願いいたします。2012財務状況報告19CREATION 〈No.174〉 2012 Summer

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