Creation-181号
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英語やドイツ語からは単語の類推がほとんど利かず、また、いくつかの母音の発音が難しく、聞き取ることはできても、こちらが口にするとなかなか通じません。未だ壁を乗り越えているとはいえませんが、少しは慣れてきたのかなと感じています。 研究を始めた当初、ハンガリーは社会主義から資本主義への困難な改革の渦中にあり半勤務したりするなかで、次第にハンガリーという国への関心が強まってきたのも、研究を続けてきた理由の一つです。研究を進める上での一番の困難はハンガリー語でした。に関する論争を調べてみるよう勧められました。それがハンガリーを研究対象として選んだきっかけです。 その後、ハンガリーに旅行したり、大使館員として2年 私が取り組んでいる研究は、中東欧の小国である「ハンガリーにおける社会保障制度改革」です。もともと、本で読んだ17世紀半ばの北方戦争でデンマークに侵攻したスウェーデン王カール10世のエピソードが気に入って、スウェーデンとその福祉政策に興味をもっていました。しかし出身学部にはスウェーデン専門の教員がおらず、ロシア・東欧でゼミ生を募集していた指導教員のゼミに入り、そこでハンガリーで行われていた社会政策【略 歴】1975年神戸生まれ1991年~1994年兵庫県立長田高等学校1995年~1999年京都大学経済学部1999年~2001年京都大学大学院経済学研究科修士課程2001年~2009年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程2004年~2006年 在ハンガリー日本国大使館専門調査員京都大学大学院経済学研究科研究員、京都大学大学院文学研究科グローバルCOE研究員などを経て2012年4月より松山大学勤務経済学部准教授 博士(経済学)柳原 剛司Yanagihara Tsuyoshiハンガリーの社会保障制度改革から周辺領域の政策に研究対象を広げるハンガリーを対象に研究を始める5CREATION 〈No.181〉 2014 Spring

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