Creation-183号
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 卒業研究を通して、自分自身で目標を立て、計画的に物事を実行できる力が身に付いたという6年の岡田さん。「与えられたことをこなすのではなく、自分で考えながら前に進むことの大切さを学びました。この経験は実際仕事をしていくなかでも活かしていけると思うし、大きな自信にもつながりました」と話す。いつも支えてくれた先生や仲間の存在も大きかったそう。 研究室に初めて入ったときには、見たことのない機器や装置のスケールに圧倒され、これから始まる研究に向けて期待が高まったという4年の長谷川さん。「先輩の話を聞いていると、自分の意思と明確な目的を持って実験できる環境で、やりがいがありそうですね。まずは12月の共用試験に向けて頑張ります」と力強い声が響いた。ば新発見につながる可能性もある。「卒業研究をしっかりやることは、薬剤師国家試験にも役立ちます。大学生活では積極的に研究に触れて、探究心を持った薬剤師として医師等とチームを組み、医療の現場に貢献してほしい」と願う明樂教授。「それにはまず、我々自身が薬学生を惹きつける研究に打ち込んで、興味を持たせることが重要。研究心を持った学生を育てることも、私たちの使命です」とも。研究室で学んだ基礎的な分析技術で測定を繰り返すことによって、最終的には「ある院内製剤の消費期限を伸ばしても良い」という結果を導き出し、実際の現場に貢献することができた。これは、基礎薬学が実務に直結することを証明する格好の実例である。 現在は本研究室発の新しい診断薬を開発するプロジェクトも進行中で、共同研究の候補者へアプローチを試みている段階だそう。順調に進め医療現場に近い環境で薬剤師を目指せる!こんなエピソードも●お互いの得意分野をサポートしながら一緒に研究を頑張った 仲間は一生の宝物! 先生の助言やジョークにも助けられた。●実験方法や機器の使い方はすべて先輩が伝授。研究テーマを 引き継ぐこともあり、先輩・後輩の仲がとても良いので、 飲み会やBBQも楽しい! さらに旅行も計画中。私たちが薬品分析化学研究室を大好きな理由4年長谷川 直樹さん6年岡田 波乃さん自分で決めて進める研究自由だからこその厳しさも上/「核磁器共鳴(NMR)装置」を駆使した代謝解析の風景。臨床検体に含まれる代謝物を網羅的に調べ、健康なヒトとの違いを明らかにして、病態解析・診断につなげる。下/6年次の前期終了時には、全教員と4~6年次の全学生が一堂に会し、薬学部全体の卒業研究発表会を実施。研究分野の違う教授や学生とも質疑応答を通して成果を共有する。6CREATION 〈No.183〉 2014 Autumn

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