CREATION-197号
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マツダイゼミ探訪毎回のゼミの最初には市川教授が学生たちに話しかけ、笑いが起こるそう。場が和み、意見を出しやすい雰囲気となる。社会や行政に関心を持ち探究心を持って調査 過疎化・高齢化の進行が顕著な四国は、解決すべき地域問題が山積みの状態といえるのではないだろうか。東京出身の市川教授は、松山へ移り20数年。地域社会学を専門分野とし、地方都市の調査研究に力を入れている。 ゼミのテーマは、地域社会の研究。毎年、愛媛県内の一つの自治体を対象に質問紙調査を行い、データを分析し報告書を作成。自治体の抱える問題点について、住民の意識調査の集計結果をもとに考察していく。 まず2年次では地域問題を扱った文献を学び、調査地となる自治体を調べる。行政・合併・産業・まちづくりなどのテーマを2〜3名ずつのグループに分かれて資料収集と分析。3年次生になると、いよいよフィールドでの地域調査が始まる。各グループで調べたことを元に仮説を立て、それに基づいた質問を集約し「調査票」を作成。市役所や役場で調査対象となる住民を自分たちで無作為抽出し、対象者に調査票を郵送する。そして得られた回答をまとめ、統計ソフトを用いて集計し、分析を行う。 サンプリング(標本抽出)の仕方、調査票の発送業務、データ入力の仕方、統計ソフトの操作法などは、地域調査を行う市川ゼミならではの学びでもある。「地方公務員を目指しているので、地域社会の研究に興味を持ちました。先生のもとで学んだ調査ノウハウは社会人になったとき、強みになると思います」と3年次生の渡邊さん。「彼女のように公務員となって地域に貢献したいという希望を持っている学生もいますね。うちのゼミを希望するのは、多少なりとも地域社会学の知識、調査技術を身につけ地域の問題解決に取り組む姿勢を養い、地域の未来を担う、有為な人材を育成する市川正彦ゼミ人文学部社会学科7CREATION NO.197 2018.4

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