CREATION_198号
6/20

試行錯誤の繰り返しが学生の成長を促していくこの物質は人体にどんな作用を与えるのか…。「薬理学」とは、そんな疑問を解明する学問だ。物質と生体の相互作用を研究し、その結果が薬の開発など実用化へつながることから、薬物治療の基盤を支える分野ともいえる。故に、薬理学ではありとあらゆる物質が研究対象となりうるが、今年度、薬理学研究室では自然由来の物質「天然化合物」に着目。研究テーマを「健康寿命の延伸に資する『天然由来低分子化合物』を見いだす」とした。「命は必ず尽きるものですが、そのときまでは健康に過ごしたいもの。手術や医薬品等の医療は寿命を延ばす大きな柱ですが、それ以外に特定の食品や生薬、あるいはそれらの成分をサプリメントとして摂取することでも健康寿命は延ばせると考えています。この研究で、そんな天然化合物を一つでも多く明らかにしていけたら」と中島教授。の候補を、培養細胞等を用いた試験管内実験で絞り込み、その効果について各種疾患モデル動物を用いて確認。相互作用を解析していく。「研究は実験主義であり、新たな試みへの挑戦の繰り返しであることから、つまずくこともしばしばあります。しかしそこで、現場で手を動かして実験に励む学生の方から問題解決のアイデアが出ることも。そんなときが、学生の成長をもっとも感じる瞬間です」と話す。を抑制することが健康寿命の延伸につながると考え、炎症を抑制する物質について実験を行い、効果を吟味している。「研究を通伸」に効果が期待される化合物研究はまず、「健康寿命の延6年次生の都築さんは、炎症マツダイ    5研究室探訪健康寿命を延ばす作用のある天然物とは?研究活動を通して問題解決能力を高め社会で活躍できる人材を育成する研究でつまずいたときなど、「中島先生は細かいところまで見てくださり、改善点に気づかせてくれます」と都築さん。CREATION NO.198 2018.7薬学部医療薬学科薬理学研究室

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る