CREATION_204号
4/20

既存の社会学に抱いた疑問がすべての始まりに 私はエスノメソドロジーと現象学的社会学、質的調査方法論の理論研究と、それらに基づく社会学的観点から、特に薬害エイズ事件を中心においたHIV/エイズ問題とハンセン病問題について社会調査を行っています。 社会学の研究を始めたのは1974年の大学入学時からでしたが、当時の社会学は自然科学をモデルとして、社会の動きを自然現象と類似した現象として客観的に研究しようとしていました。しかし「他のアプローチの方法もあるのではないか」と考えた私は、アメリカのハロルド・ガーフィンケルが提唱する「エスノメソドロジー」という新しい理論に興味を持ち、1976年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校に国費留学させてもらい、日本で最初のガーフィンケルのCREATION NO.204 2020.1 3人文学部社会学科教授山田 富秋学術研究YAMADA Tomiaki【略 歴】1974年4月 東北大学文学部入学(社会学専攻)1976年8月〜78年7月 1979年4月 東北大学大学院修士課程入学(社会学専攻)1981年4月 東北大学大学院博士後期課程入学(社会学専攻)1984年4月 県立山口女子大学講師1987年4月 同助教授1998年4月 京都精華大学人文学部助教授2001年9月 早稲田大学博士(文学)取得2005年4月 松山大学人文学部教授(現在に至る)UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)留学人々の相互行為から遊離することなく内側から理解を深め社会現象を読み解く

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る