CREATION_206号
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8CREATION NO.206 2020.7校訓「三実」は、社会人になった今も心にある有為な人材を輩出できる大学であることを願う後輩たちが全日本大学女子駅伝で日本一を成し遂げてくれました。彼女たちが胸に秘めた「松山大学だからできること」「地方だからできること」がまだまだあるはず。地域に愛され、「松山大学に来て良かった」と実感し、社会に羽ばたく人材をこれからも育て、卒業生が誇りを持つ母校であってほしいです。 卒業後、三井住友海上(当時:三井海上)で女子マラソン選手としてキャリアを積みました。2001年エドモントン世界選手権銀メダル、04年名古屋国際女子マラソン優勝、アテネ五輪5位入賞、06年東京国際女子マラソン優勝、07年大阪世界陸上銅メダル、08年北京五輪などに出場し、引退後はアドバイザーとして後進の育成、ゲストランナー、講演会などを通じ、走る楽しさを発信しています。 松大では、友人たちと楽しい時間を過ごせました。陸上競技部に所属し、大学3年次に先輩と共に出場した愛媛マラソンで優勝。これらの経験を通し、人間力を磨くことができたと感じています。その頃の縁が、今も人生を豊かにしてくれています。 陸上競技では、高校卒業後に実業団に進んだ選手がどんどん結果を残すなか、羨ましいと感じることもありましたが、大学時代、焦らず地に足つけて毎日を過ごしたことが結果につながりました。 校訓「三実」は、社会人になったときの行動指針として常に心にあります。私はマラソンを通して多くの方に応援していただき、それが最後の頑張りにつながりました。人は一人で生きていくことはできません。今後も「三実」を胸に歩んでいきたいと思います。創立100年を迎える松山大学ですが、これからも、骨がましくても頼りになる実務者を輩出し続ける大学であることを期待しています。 記者に憧れて新聞社を受験すると、「愛媛新聞」紙が配られ、どの部分でも任意に選んで書くようにと作文が出題されました。「人の行く裏に道あり…」と考え、記事ではなく広告を取り上げて書いたところ、そのためか(記者希望だったのに)広告要員として採用されてしまいましたが、これが私の社会人としてのスタートとなりました。 大学は、クラブ活動(空手部)で日々疲れ切って帰り、勉強する余力は残っていなかったので、低空飛行のまま何とか卒業だけはさせてもらったようなものでした。ビジョンと言った気のきいたものはありませんでしたが、ただ、どんな苦しみでも耐えてみせるぞ、という気概だけは持っていました。 空手の練習は、苦痛に抗してどれだけ耐えられるかが基礎になるので、その点だけは誰にも負けないぞと自らを鼓舞し続けてきました。今では、バカの一徹も悪くないなと思っています。 ビジネス界で活動するには、「三実」はいずれも欠かせない重要な要素です。特に、「真実」や「誠実」を標榜する大学は多いですが、「実用」といったロマン色のない訓言はとても貴重だと思います。1999年 人文学部英語英米文学科 卒三井住友海上火災保険 株式会社1963年 商経学部経済学科 卒株式会社 愛媛新聞社取締役相談役Yell for MATSUDAITOSA ReikoYell for MATSUDAINOMOTO Takeo土佐 礼子さん野本 武男さん

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