CREATION_207号
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困難な状況下における〝裏切り〟と〝協力〟関係私の専攻は理論経済学ですが、研究としては遺伝的アルゴリズムを用いた「囚人のジレンマゲーム」のシミュレーションを行っています。行動経済学の大前提に〝人間は合理的に動く〟というのがあって、合理的に動くと殺伐とした世界になるというのが理論的に明らかにされていますが、そこまで人間は合理的に行動しない場合もあります。  3まくいくのは明らかなのに、協「囚人のジレンマ」というゲームには、お互いが協力するとう力しなければ自分だけが得をするという状況において、〝相手が協力している間は協力するが、協力してくれないなら協力しない〟や、最初から〝裏切られたくないので、相手を信用しない〟などの解があります。一例としてアメリカとソ連の核競争もそれでうまく説明できます。【略 歴】1991年 1991年4月 松山大学経済学部 講師1993年4月 松山大学経済学部 助教授2003年4月 松山大学経済学部 教授(現在に至る)神戸商科大学(現・兵庫県立大学)大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程 単位取得退学CREATION NO.207 2020.10経済学部経済学科教授安田 俊一 YASUDA Shunichi個体に遺伝子を持たせ集団内でどんな群れを形成していくのかシミュレーションする

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