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2018年08月30日

世界の趨勢と現場に即した成年後見制度を考察する

 現代の社会情勢に適合する制度改正を

“代理か援助か”は、成年後見制度の根幹にかかわる問題です。自己決定が尊重されるべき今日では、従来の代理より援助へと移行していくべきだろうと考えています。
 また成年後見人等が負うと解される民法714条に基づく法定監督義務者責任の解釈も問題です。冒頭であげた例のように、近年認知症高齢者の加害行為についての遺族ないし成年後見人の責任がクローズアップされています。この例の場合だと、遺族に法定監督義務者責任を問う前に、鉄道会社が事故を防ぐ対策を十分に取っていたか、そもそも遺族や成年後見人がどこまで責任を負わなければいけないのかなどの問題が残っています。
 今後、少子高齢化が一層進むことが予想されるなか、認知症高齢者などが利用する成年後見制度とその周辺には様々な課題が浮上してきています。これらの問題の解決について、論文を発表したり、いまや制度の重要な受け皿となっている社会福祉協議会などに発信したりするなど、積極的に提案していきたいと思っています。

明治初期の民事慣習を知る上で貴重な資料。


法学部教授
銭 偉栄 SEN Iei

略歴

1962年8月 中国浙江省杭州市生まれ
1984年7月 復旦大学外国文学部日本語学科卒業
1996年3月 法政大学大学院社会科学研究科法律学専攻修士課程修了
2001年3月 法政大学大学院社会科学研究科法律学専攻博士後期課程単位取得満期退学
2012年4月 松山大学法学部准教授
2012年10月 松山大学法学部教授(現在に至る)
2016年4月 松山大学法学部長(2018年3月まで)

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.198でご覧いただけます。

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