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2018年11月22日

自発的環境配慮行動を促す動機と仕組みのあり方を探る

長年に渡る調査で見えてくる意識の変容

ベルギーやカナダのスーパーやドラッグストアで購入したエコバッグ

学生時代に研究室が仙台市から委託を受けて実施した、ごみの分別ルールに関する調査プロジェクトに関わったことが、最初の環境調査経験でした。そのときは教授のお手伝いをさせていただいただけで終わったのですが、博士課程2年目のときには自分たちが中心となったチームで、同じく仙台市のごみ分別に関した調査を行いました。それ以降、現在に至るまでごみの分別ルールに関する調査を中心に続けています。
 基本的な調査内容は、容器、場所、時間など、ごみの分別ルールがどのように決められているか、市民はそれをどう受け入れているのかを調べていくというものです。2005年には共同研究者の一人として都市の規模や都市を構成する様々な背景・要因によって比較対照しやすい仙台市、名古屋市、水俣市、釡石市を選び、ごみ分別ルールの調査を行いました。この調査では、分別ルールが厳しくても住民は不満を感じているわけではなく、むしろルールを守っていることを誇りに思っているという結果が出ました。
 2015年にも仙台市において同様の調査を行ったのですが、これまでの調査結果と比較して、環境に関する意識が薄くなっていることが読み取れました。これは全国的・世界的な傾向のようですが、原因はまだ検証されていません。日本の内閣府の調査では、国民の関心は上位から福祉、高齢化、経済となっており、環境は10位以下でした。東日本大震災の復興に対する関心も下がっていて、世の中全体のことをあまり意識していない、個人の関心が重要視されているような傾向を感じています。
 

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