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2019年12月12日

株主提案権の適正な運用は株主総会の活性化と企業成長につながる

提案権行使の濫用化に伴い規制を求める声が高まる

株主提案権は、会社法上、一定の要件を備えた株主であれば、株主総会を通じて会社としての意思決定内容に関与することが認められている権限です。特に日本では、その内容を会社の根本規則である定款に記載するよう求める場合、必ず株主総会で決議しなければなりません。1981年の商法改正当時は、総会屋による株主総会の運営妨害、株主と経営者間のコミュニケーション不足、株主による経営チェックやコントロール機能不全などが問題視されていました。ただ、実際の株主提案権行使は、原発反対活動の一環として市民運動型株主に利用されていたくらいで、一般的にはあまり活用されていませんでしたが、コーポレートガバナンスが浸透し始めてきた2000年前後、会社不祥事が頻発したこともあり、「物言う株主」として一般株主も積極的に提案権を行使するようになりました。
 ところが、一人の株主が建設的とは言い難い内容の議案を100個も提案するような、濫用的に株主提案権が行使される事態へと発展していきます。その目的は単なる嫌がらせだったり、売名行為であったりと様々ですが、これにより株主総会の健全な運営が著しく阻害されます。思うに、株主提案権の導入当初から、問題のある提案がされるおそれが秘められていました。一人の株主が提案できる数の制限がないため、このような事態も起こるのであり、今では提案個数の制限など、提案権に一定の規制を設けようとする法改正が進んでいます。

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