クリックするとメニューが開きます
scroll
マツダイ最前線
FOREFRONT マツダイ最前線
2020年11月04日

個体に遺伝子を持たせ、集団内でどんな群れを形成していくのかシミュレーションする

現実社会の複雑な動きを再現して観測する面白さ

アクセルロッドがコンピューターシミュレーションを行ったのは1987年頃で、当時のコンピューターはもっと原始的なものだったので難しかったと思います。今後は〝AIが入るとどうなっていくのか〞というのもテーマにし、勉強をし始めているところです。
 AIの『α碁』の開発者に話を聞いたときに、「確かにプログラミングをして、いろいろなアルゴリズムを用意したのは自分だけど、『α碁』がなぜそのアルゴリズムを選んだのかわからない」と答えていました。そういうブラックボックス的な存在であるAIが、私たちの生活に直結する金融や経済でお互いに最大利潤を上げるための、いわゆるゲームをしています。AIには遺伝的アルゴリズムが使われているはずなので、そもそも不安定な金融や経済の世界に突然変異が起こることで、その不安定の幅が非常に大きくなるのではと懸念しています。
 私の研究に今のところAIは関係ありませんが、現実社会における集団の動きをコンピューター上の小さいシミュレーションのなかで説明したり、与える条件をコントロールすることで集団の動きが変わってくるところなどに面白さを感じています。今後は人口が減少していく世界のなかで、マクロ経済はどのように変異していくのかを検証していきたいと思っています。

大学院で数学をやってみたいと思い、試験勉強のため京都の古本屋で購入した参考書。なかなか手に入らない稀覯書でもあった。

経済学部経済学科教授
安田 俊一 YASUDA Shunichi

略歴

1991 年 神戸商科大学(現・兵庫県立大学)大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程 単位取得退学
1991年4月 松山大学経済学部 講師
1993年4月 松山大学経済学部 助教授
2003年4月 松山大学経済学部 教授(現在に至る)

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.207でご覧いただけます。

PAGE 1 PAGE 2 PAGE 3

このページに関するお問合せは下記までお寄せください。
入学広報課
電話
089-926-7140

RECOMMEND おすすめのページ

PAGE TOP