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2016年01月01日

米国における費用便益分析を研究し 政策評価の有用性を考察する

費用便益分析のもたらす功罪について検証する

現在、アメリカ合衆国連邦行政における政策評価制度がどのように構築され変化しているのか、この制度によって大統領(大統領府)と行政機関の関係がどのように変容してきたのか、連邦裁判所は政策評価で用いられた費用便益分析に対して、どのような評価をしているのか、という3点に着目しながら研究を進めています。

行政機関は、連邦議会の制定した法律の要件に基づいて規則を制定しなければなりません。法律の要件には「費用を上回る便益」等のわかりやすい文言が使われることは少なく、「適切な」とか「実施可能な程度」といった抽象的な文言が用いられることが多いのです。この抽象的な要件の下で行政機関が規則を制定するときに、費用便益を考慮することが法の許容するところなのか否かが問題となったのです。1980年代以降の規制緩和が進められた時代にあっても、アメリカでは食品の安全、健康、労働衛生に対する規制は費用便益にはなじみにくいものと考えられてきました。2000年頃までの
連邦最高裁は、法律の文言にこだわり、法律の要件が費用便益について明示的に規定していない限り、費用便益分析は適切な方法ではないとする判決を繰返してきたのです。

一方、この頃日本でも政策評価ということが普及し始めるのですが、すべての領域で一斉に政策評価に取り組むようになってしまいました。その結果、社会的に維持しなければならない価値観も、すべて費用便益というテーブルに乗せられ検証の対象とされてしまいました。また、日本の場合、費用便益分析の具体的な方法は、行政機関に委ねられていること、検証しても政策へのフィードバックができていないことにも問題があります。政策には数字で評価できない部分もあるので、すべてに費用便益分析を用いることは無理があり、望ましくないところもあるが、投入した費用の効果を計りやすい公共事業には用いるべきだというのが、私の考えです。

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