井上 正夫ゼミ

対話から人間力を磨き、人の営みの歴史から地域経済の成長を検証する。

古地図を片手に松山のまちへ
体験から学ぶ地域経済史

≪今回お話を伺った方≫

井上 正夫 教授
左から、早野仁美さん、忽那陸柊さん、 井上温澄さん(すべて3年次生)

※学生の年次は取材時のものです。

教室を飛び出して地域の歴史と経済を紐解く

地域経済史をテーマに掲げる井上ゼミの特徴は、教室で学ぶだけでなく、実際にまちへ出て体感するフィールドワークにある。「先輩から、『お散歩ゼミ』があると聞いて楽しそうだなと思ったのと、1年次で先生の授業を受けたときに面白かったので」と志望理由を話してくれた井上さん。井上正夫教授が「お散歩ではなく探索です(笑)。これはれっきとした研究ですからね」とすかさず訂正。そのやり取りからも、普段の和やかな雰囲気が伝わってくる。
「せっかく松山で学ぶのだから、地域のことを知り、記憶に残る4年間にしてほしい」というのが井上教授の願い。そこでまず、2年次には夏目漱石の『坊っちゃん』を精読する。1行ずつ音読しながら、作品に登場する道具や暮らしぶりについて学生同士で意見を交わし、明治時代の人々の生活や経済活動を読み解いていく。「松山には坊っちゃん列車や坊っちゃん団子など『坊っちゃん』にちなんだものがたくさんあります。しかし、実際に作品を読んだことがある人は意外と少ない。だからこそ、松大で学ぶ学生には一度しっかり読んでほしい」と井上教授は語る。
3年次になると、明治・大正期の古地図を手に松山市内を探索するフィールドワークを行う。坊っちゃんに登場する場所や古地図に記された道、廃線跡、昔から続く寺社などを訪れながら、地域の歴史と経済の発展を現地で学ぶ。忽那さんは「何気なく歩いていた道にも歴史があることを知りました。自分の生まれ育った内子町の町並みの歴史、経済の変遷も紐解いてみたいと考えています」と話す。

スマホを置いて対話する人間力を磨く学びの時間

井上ゼミにはもう一つ大きな特徴がある。それは授業中にスマートフォンを使わないことだ。疑問が生まれたとき、すぐに検索して答えを見つけることは簡単。だがゼミでは、自分で考え、仲間と話し合うことで多様な考え方に触れることを重視している。「AIに
頼らず、自分の言葉で考えや意見を言語化する能力の大切さを実感しました」と沖田さんはこれまでの学びを振り返る。
井上ゼミは、単に地域経済史を学ぶ場ではない。対話し、まちを歩き、自分の目で見て、自分の頭で考える。そうした体験を通じて、コミュニケーション能力や多様な視点を身につけ、社会人として必要な基礎力を養う場所だ。そして何より、「後悔しない大学生活」を送るための、かけがえのない時間がそこにはある。

私たちが井上ゼミを大好きな理由

  • 歴史や経済を学ぶだけでなく、コミュニケーション力も身につく!
  • 探索が楽しい!普段見ている松山の景色が違って見えるようになります。

井上正夫教授から学生へ
ぜひまちを歩いてください。鈍行列車に乗って車窓の景色を眺めるのもいいでしょう。スマホを少しだけ片付けて、目の前の人に話しかけてみてください。そこで出会う経験や人とのつながりは、きっと皆さんの財産になるはずです。

ランダムにグループをつくり、古地図を開いて意見交換を行う。 対話から生まれる新たな発見を大切にしている。
ゼミ旅行で訪問した大相撲春場所の合宿所で撮影!

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.229でご覧いただけます。

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