≪今回お話を伺った方≫



法学部法学科准教授 牧本 公明 MAKIMOTO Kimiaki(写真右)
4年次生 出海 真太郎さん IZUMI Shintarou(写真中央)
3年次生 稲葉 昂史さん INABA Takafumi(写真左)
※年次等は取材当時のものです
相手の立場で真理に迫る法律学の要は想像力
日本国憲法により保障されている基本的人権。牧本ゼミでは「基本的人権の総合的考察」と題して、日本における基本的人権をめぐる社会問題及び、裁判を通じた救済の実態把握と問題点の考察を行っている。
そのプロセスとして、まず担当に指名された学生が人権問題に関する最高裁判決についての報告・発表を行い、それを受けて他のゼミ生たちが裁判所の結論の妥当性や学説との関係性などについて質疑、討論へと展開。その裁判にて憲法がどう解釈され、活用されたのかを理解していく。その目的は二つ。自分自身とはまったく関係の無い他者に起こった法律上のトラブルを解決するための裁判を扱うことで、広い社会に存在(あるいは潜在)する多様な人権問題を敏感に感じ取ることができるアンテナを持つこと。そして同じゼミに所属する学生の間でも人権問題に対する感じ方は異なることに気づき、自分とは異なる意見の持ち主が社会に多く存在していることを認知すること。牧本准教授は「裁判は派手に見えて、実は細かなところに判断の分かれ道があることも。その気づきを左右するのは、どれだけ相手の身に立って物事を考えられるかという想像力。いわゆるリーガルマインドです。学生には、ぜひ様々な体験をして、想像力を逞しくしてもらいたい」と話す。
ゼミは社会の縮図
将来への土台づくりを
1年次生で憲法の基礎を定着させ、2年次生で様々な事例、判例を学び、3・4年次生での討議へとつなげる。そのなかで、学生たちは少しずつ自分の興味・関心がある分野の知識を深め、自分の意見を出せるようになっていく。「自分の意見を理由付けて説明することを意識するようになりました。同じように思える意見でも、ちょっとした違いを牧本先生は拾ってくださるので、細かな部分こそ割愛せず、自分の言葉で伝えようという気持ちになります」と4年次生の出海さん。また3年次生の稲葉さんは、印象的なテーマとして「なぜ日本では女性だけ再婚の自由が制限されるのか」を挙げる。3年次生のゼミは男子学生のみという女子学生のいない状況下で、他者の立場への想像力を駆使。「実際の判決に疑問を抱き、討議し合った経験が、自分なりの視点を生かせるのではないかという気づきにもなりました」と振り返る。「自分の意見を自分の言葉で伝え、相手に認知してもらう。それは社会の様々な場面において求められる能力ですから、学生時代にその土台づくりをしておくことが重要です」と牧本准教授。法律のなかに込められた真理、思いを相手の立場に立って想像する。やがて社会に一歩踏み出したとき、そのリーガルマインドが、きっと学生たちの強みになるはずだ。
私たちが牧本ゼミを大好きな理由
(1)先生のやさしい人柄と熱意は。ゼミでもコンパでも大いに感じられます。
(2)将来についてのアドバイスをくださり、早い段階で社会への意識を持つことができます。

