≪今回お話を伺った方≫



薬学部教授 山口 巧 YAMAGUCHI Takumi
5年次生 安藤 里紗さん
4年次生 黒河 幸朗さん
※年次等は取材当時のものです。
臨床現場で生じている問題解決の糸口を研究室から
近年、薬剤師は薬局や病院内での調剤業務等に留まらず、より近い存在で患者と向き合うことが求められている。それに伴い、薬学教育も調剤室からベッドサイドへと、実学の転換を図っている。医療薬学研究室では、病院薬剤師経験を持つ山口教授のもと、臨床現場で生じている問題について解決の糸口を見出すことをテーマに研究している。「特に医薬品による副作用の軽減と、患者や医薬品使用者の不都合(リスク)を軽減するため、現場の薬剤師とのつながりを大切にしながら、一緒に研究を進めています」と山口教授。よって、医療薬学研究室を志望するのは、将来、病院や保険薬局(地方厚生局から保険認定を受けた薬局。保険診療に基づいて医師が出した処方箋に従って調剤を行う)などの臨床現場で薬剤師として活躍したいという希望を持つ学生が多い。
最先端の臨床現場から刺激を受ける環境
具体的な研究テーマは「抗がん剤の新たな投与方法による患者の身体的負担の軽減」、そして「医薬品に対する意識と医薬品使用時の対応行動の関係性に関する解析」。愛媛大学医学部附属病院薬剤部や保険薬局の薬剤師と共同研究を行っている。学生たちは”研究がどのように患者の治療に活かされていくのか””研究室で出たデータをいかに臨床現場に活かしていくのか”を常に考えながら答えを探っていくという。
「放射線治療をした際に患者に起こる小腸粘膜障害などの予防研究」を行っている4年次生の黒河さんは「現場で活躍されている薬剤師の方との共同研究は勉強になることが多く、今まで知らなかった医療における問題点が浮き彫りになることで、研究に対する意欲がさらに湧きました」と話す。最先端の臨床研究施設や薬剤師の臨床研究に触れることが学生たちの刺激となり、さらには、海外の医療、英語学習などグローバルな広い視野を持つことにもつながっているようだ。
「一歩前進」の精神で何事にも前向きにチャレンジ
医療薬学研究室では、常に前向きにチャレンジする心を忘れないでほしいという山口教授の想いから「一歩前進」の言葉を掲げている。5年次生の安藤さんは「もともと内気な性格でしたが、先生の勧めで卒業研究について発表をしたことで自信がつき、大きく一歩前進できました。薬剤師になったら、緩和ケアについての学びをさらに深め、認定薬剤師を目指したいです」と話してくれた。そんな学生の成長を日々感じているという山口教授は「社会に出て患者さんと接するとき、心を許してもらえる存在になるには、患者さんと同じ観点を持ち、コミュニケーションを図ることが大切です。そのためにも、学生時代には勉強も、いろんな経験もして幅広い知識を身につけてほしいと思います」と学生への期待を寄せた。
私たちが医療薬学研究室を大好きな理由
山口教授は薬学部のカウンセラーなんでも相談できる存在です!
(1)人生経験豊富な先生は父親的存在。勉強以外の相談もしやすく、恋愛相談をしたことも(笑)。
(2)研究室はとても居心地がよく、少人数なので全員と気さくに接することができます。

