生理化学研究室

薬剤師に求められるスキルをリアルな経験から学修する

“研究室”を超えた学びを通じて人間としての幅が広い医療人を目指す。

≪今回お話を伺った方≫

鍋加 浩明 教授
左から、林上総さん(6年次生)、矢加部侑果さん(5年次生)、中野心月さん(4年次生)

※年次等は取材当時のものです。

研究室の枠を超えた多様な学びがミライにつながる

2022年に愛媛大学から赴任した鍋加浩明教授は、松山大学で唯一の医師教員。生理化学研究室は、鍋加教授の専門性と温かい人柄に惹かれた学生が多く集まっている。
研究室に所属して1年目の4年次は、「ワインバーグのがんの生物学」という教科書を1年かけて読み込み、様々な生物学的実験手法のほか、生物学の勉強、さらにプレゼンテーション能力を磨きながら理解を深めていく。続く5年次から研究活動が本格化。鍋加教授を含む3名の教員のもと、3チームにわかれ、遺伝子を改変した生物を使った研究を行う。
なかでも鍋加チームは培養細胞を用いた実験研究に加え、アンケート調査やインタビュー調査による研究も行っている。たとえば6年次の林さんは、話題の電子処方箋やマイナ保険証をテーマに薬局と病院にインタビュー調査を実施したという。鍋加教授は「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)については既存のカリキュラムで学ぶ機会がありません。これを機に、薬学のみならず医療システム自体にも興味を持ってもらえれば、将来自分が薬剤師として上の立場となった時に役立てられると思っています」と話す。林さんも「薬剤師になってから必ず役に立つ医療DXについての知識を得ることができました。この経験から、管理薬剤師やエリアマネージャーなどの経営ノウハウを身につけられる薬局薬剤師を目指すことに決めました」と、将来へとつながる研究ができたことに手応えをにじませる。

チーム医療の一員として活躍できる薬剤師に

異なる医療系学部の学生との交流を通じて視野を広げ、チーム医療の現場で活躍できる薬剤師になってほしいと願う鍋加教授。教育活動の一環として、解剖実習見学や、愛媛大学医学部、看護学部と合同で行うチーム医療学習、同医学部の救急サークルとの交流など、学外での学びの機会も積極的に提案している。「学内の授業では得られないリアルな体験を通じて一歩深く学べたという実感があります」と4年次の中野さん。5年次の矢加部さんは「鍋加先生のもとでの学びが、救急専門の薬剤師を目指すきっかけになりました。専門的な知識を深め医療人として成長し続けたい」と声を弾ませる。
「薬剤師は人とのコミュニケーションが大事な職業。この数年、コロナ禍でなかなか外へ出られなかった分、今後はフィールドで様々な人との出会いから学び、将来医療従事者の一員として、薬剤師としてやっていくモチベーションを高めてほしい」と鍋加教授はエールを贈る。

私たちが生理化学研究室を大好きな理由

(1)学年を超えて仲が良く、明るく楽しい居場所!
(2)研究室を飛び出し、人として成長できる機会に恵まれています。

鍋加教授から学生たちへのメッセージ
あまり“ガリ勉”にはならないように。将来医療従事者を目指すものとして、勉強や研究以外のことにも関心を向けて、様々なことに触れることで人間としての幅を広げてほしいです。

塵埃や雑菌の侵入を防ぎ、空気を正常な状態に保つ「クリーンベンチ」内で、細胞に試薬を与 えて遺伝子にどんな影響が起こるかを調べる
春のバレーボール大会で仲を深め、打ち上げのたこ焼きパーティで大盛り上がり!

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.224でご覧いただけます。

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