2025年7月18日(金曜日)、松山大学樋又キャンパス内のレストラン「ル・ルパ」にて、「SAKE First Love Project Vol.3」が開催されました。
本イベントは、松山大学、松山商工会議所並びに一般社団法人マッチアップが企画・運営している、日本酒という地域資源を通じて「地域と人、文化と未来をつなぐ」ことを目的とした学びと交流の場です。
当日は、本学の学生・教職員をはじめ、行政・企業関係者、さらには首都圏や京都からも参加者が訪れ、地域を超えて多様なメンバー約70名が集まりました。世代や立場を超えた出会いと対話が広がる、にぎやかで温かな夜となりました。


開会にあたり、一般社団法人マッチアップの林幸弘氏から「松山大学からスタートした本プロジェクトが、東京や京都でも実施され盛り上がっている。この場には社会を変える力がある」とプロジェクトの魅力が語られ、会場の空気が一気に前向きなものへと変わり、前半のプログラムがスタートしました。
最初に、「地域貢献とは」をテーマに、山本涼可(経営3年)さんによる発表が行われました。「地域を愛する気持ちだけでも、十分に地域貢献。難しく考えず、小さな行動や意識の変化が、地域に“ちょっとした輝き”をもたらせるような、そんな学生・社会人でいてほしいと思います」と呼びかけました。
続いて、経済学部の望月雄介准教授による講演「日本酒言語学~『で』と『が』で夢を語る~」が行われました。日本酒が生み出すコミュニケーションをテーマにした研究や、本イベントをきっかけに日本酒に関する書籍の出版が計画中であることも発表され、今後の展開に期待が寄せられました。
京都からは、株式会社マガザン代表取締役の岩崎達也氏が参加し、「文化の原材料をつくるコミュニティ型 山田錦農」と題して『共農共杯(きょうのうきょうはい)』というコンセプトのもと、世の中の人とともに米をつくり、乾杯をする新しい農業と日本酒文化の形について講演が行われました。日本酒は、言語・文化・農業・経済・コミュニティといった多層的な教育資源になることを実感できた時間となりました。
イベント後半では、地元水口酒造のクラフトビールや生酒をはじめ、マガザン岩崎氏より、秋田県男鹿市で2021年に創業したクラフトサケ醸造所「稲とアガベ」のお酒が振る舞われました。
冒頭では、利き酒師としても活躍する日本政策投資銀行の高田名奈氏による日本酒の味わい方のレクチャーがあり、香りや味の広がりを楽しむ日本酒の飲み方が丁寧に紹介されました。その後、6種類の日本酒を銘柄伏せで提供する利き酒交流会が開催され、驚きや歓声が上がる場面も見られました。また、参加者同士が日本酒を味わいながら、新たな企画やビジネスが進む場面も見られました。
今回も、日本酒をきっかけに、世代や地域を越えた多様な人々が交差し、偶然の出会いから新たなつながりが生まれる夜となりました。
文化を見つめ、実践を重ね、人とのつながりを丁寧に育てていく。本プロジェクトの一つひとつの瞬間に、松山大学の校訓「真実・実用・忠実」の精神が息づいています。松山大学は、これからも、大学と地域、そして次世代をつなぐ挑戦を続けてまいります。

