2025年10月3日(金曜日)、松山大学樋又キャンパスのアカデミック・ソーシャル・コモンズにおいて、本学薬学部を中心とした研究グループによる「スタチン系薬剤の全国多施設共同研究」についての研究記者発表が開催されました。
本発表会は、抗がん剤治療の深刻な副作用である末梢神経障害(手足のしびれ)の軽減に、コレステロール治療薬であるスタチン系薬剤が効果を示すことを、全国13施設にわたる大規模な後方視的カルテ調査研究で確認したという、世界でも先駆的な研究成果を社会に公表することを目的に実施されました。
当日は多くのメディア関係者が出席するなか、池上真人学長、天倉吉章薬学部長の挨拶に続き、本研究の代表者である薬学部医療薬学科 医薬情報解析学研究室の武智 研志 准教授から研究内容が報告されました。武智准教授は、徳島大学、愛媛大学、岡山大学、九州大学など国内13施設との連携により、特に大腸がん患者において、スタチン系薬剤が抗がん剤による末梢神経障害を約3割抑制することを確認できたと発表しました。この成果は、がん治療の副作用軽減の有効性を裏付ける世界においても本分野で先んじた成果であり、既存薬の活用により、患者さんの生活の質(QOL)向上と医療費削減の双方に貢献が期待されると、その意義を強調しました。発表後には活発な質疑応答が行われ、発表会終了後の個別取材で武智准教授は、「多施設連携の困難を乗り越え、この成果を得ることができました。今後はさらに検証を進め、より多くのがん患者さんの生活の質向上に貢献したい」と、今後の研究への強い意気込みを述べ、武智准教授が主導した大規模研究の成果が、社会に広く発信される一日となりました。会見内容については、数多くの報道機関に発表内容を取り上げていただき広く世の中に情報発信することができました。


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