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2025年01月31日

藤井 孝哉 講師

地域再生の鍵となる地域プラットフォーム

地域再生は地方のどの自治体においても取り組んでいくべき課題となっています。地方から人が流出し、地域が維持できなくなるのは”都会で豊かな生活をしたい”という気持ちが根底に存在しているからです。地域を持続させるには、地域のなかに存在する農家や中小企業といった”生産を担う人”たちが生活を維持できることが前提であり、そのためには周囲との協働や連携が不可欠です。
 地域内の農家や中小企業といった事業体単位の小規模な連携は、今でも各地に見ることができますが、地域全体を維持・再生するためにはその連携の領域をさらに押し広げ、生産者・労働者(=生活者)の協働を可能にする、地域としてのプラットフォーム(基盤)が必要だと考えています。2010年代を通じて全国で形成され始めたRMO(地域運営組織)という住民組織の形態は、自治活動やスモールビジネスによる経済活動を両立させる取り組みを実践しているので、地域再生の可能性を秘めていると感じています。
 地域を研究対象にするということは、経済的事象だけでなく、文化や歴史など幅広い興味関心がなければできません。愛媛県を中心にした国内外を対象に、時間をかけてその土地を歩き、研究者としての視点だけでなく、生活者や観光者の目線でも地域を見渡しながら、その地に合ったプラットフォームを成立させるための政策立案・制度設計をどうすべきか構想しています。

※RMO(Region Management Organization)…地域の暮らしを守るため、地域で暮らす人々が中心となって形成された組織。総務省と農林水産省がRMO形成を推進しており、自治体の支援を受けながら、地域経済やコミュニティの維持など、地域課題の解決に向けた取り組みを持続的に実践している事例が全国で見られる。

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