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2018年03月01日
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第2回がんプロ講演会「がん医療の実際―薬剤師力をどう発揮するか」を開催

平成30年2月17日(土曜日)、本学文京キャンパスにて、大学院医療薬学研究科主催の第2回がんプロ講演会「がん医療の実際―薬剤師力をどう発揮するか」が、愛媛県薬剤師会、愛媛県病院薬剤師会、中国・四国広域がんプロ養成コンソーシアムとの共催で開催され、70名(薬剤師25名、教員18名、学生27名)が参加した。

最初の講演では、愛媛大学医学部附属病院薬剤部の飛鷹範明氏が「緩和ケアにおける薬剤師の役割と薬薬連携に向けた取り組み」と題し、がん性疼痛に対するメサドンなどの薬を選択することにより良好な疼痛コントロールが得られた症例を紹介した。また、在宅緩和ケアにおける病院・薬局が連携(薬薬連携)した様々な取組などについての説明があった。これら薬剤師の仕事のうち、患者に見えるものは服薬指導だけという現実は寂しい。薬剤師の様々な仕事に対する社会の正しい評価につなげるために、「仕事の見える化」にも取組むことが必要であると述べた。
 続いて、「がん医療と薬剤師 in 四国がんセンター」と題して講演を行った四国がんセンター薬剤部の小暮友毅氏は、(1)がん化学療法レジメン(投与量設定など)、(2)支持療法、(3)セツキシマブやレゴラフェニブなどの抗がん剤(マルチキナーゼ阻害薬)治療時の副作用へのチーム医療としての取組、(4)外来がん化学療法、(5)アクティブアセスメントなどの四国がんセンターでの最新の取組みを紹介した。これらの仕事にはチーム医療、施設を超えた薬剤師同士の連携が重要であることを指摘した。
 休憩をはさみ、大垣市民病院薬剤部長の吉村知哲氏より「がんチーム医療において薬剤師力をどう発揮するか ! ―その戦略と人材育成―」と題し、大垣市民病院を舞台にして薬剤師力を発揮できる薬剤師が育つ環境を作るための取組の紹介があった。現在、薬剤師に学会参加、学会発表、論文作成、各種の専門・認定薬剤師の資格取得、学位取得を奨励している。これらは、学術論文数(17報/2016年)、各種の専門・認定薬剤師取得者数(例えば、がん専門薬剤師14名)、学位(薬学)取得者数(6名)など薬剤師が取得したデータから見て取れ、地方の中核的基幹病院(薬剤師は56名在籍)とは思えない業績をあげている。薬剤師集団の一人一人が患者に寄り添い、その職能を発揮することで患者から信頼・感謝され、チーム医療においても薬剤師力を発揮できることが期待されている。これは本講演のテーマ「がん医療の実際―薬剤師力をどう発揮するか」につながるものである。

本講演会では、現場の薬剤師の先生がどのような考えで、どのようにがん医療に向き合っているか、あるいは薬剤師力をどのように発揮したら患者やその家族らに信頼され、感謝されるかを薬剤師の先生と大学教員が考える貴重な機会となった。講演会終了後には多方面からの質問があり、熱心な討論が行われた。今後は専門・認定薬剤師や薬学博士の薬剤師(博士薬剤師)の方が、薬剤師力を発揮できる環境で活躍でき、医療チームの一員として安心・安全な医療に貢献できる環境になっていくものと思われる。
 本大学院は、平成30年4月から「がん専門薬剤師養成コース(4年間)」を開設し、「博士薬剤師」としてのがん専門薬剤師を研究教育によって育成していく。

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