松山地方裁判所裁判官の講演会を開催

2023年10月20日(金曜日)に本学文京キャンパスにて、松山大学法学部・講義科目「刑法Ⅰ(総論)」の一環として、松山地方裁判所の裁判官をお招きし、「裁判の実際―刑事裁判を中心に―」をテーマとして講演していただきました。この企画は、2016年度から実施しており、今年度は300名の学生が受講しています。

講演会では、三権分立を前提とした、裁判所の位置づけがなされた後、刑事裁判の機能と具体的な進行方法(捜査→起訴→公判(冒頭手続→証拠調べ手続、弁論手続)→判決)の説明があり、その後、学生に関係がある裁判員裁判にも言及がありました。裁判員裁判制度は運用開始から15年目を迎えますが、同制度は、「見て、聴いて、わかる審理」を目指しており、裁判員を経験した方の97％が「裁判員裁判はよい経験だった」という印象を有しているというアンケート結果を示していただきました。
　最後に、裁判官の魅力と悩み、そしてそれを踏まえたやりがいとして「裁判官は、『中立的で冷静な視点』から、裁判に臨むため、当事者どちらからも感謝されることは少ない。しかし、『法律と自己の良心にのみ』従って判断できる裁判官は、自分自身の正義を貫くことができる点にやりがいがある」とお話しいただきました。
　講演の合間には、クイズを交えて学生の関心が途切れない工夫が凝らされておりました。

講演会終了後には、質問する学生が多数おりましたが、裁判官には、その一つひとつに大変親身にお答えいただきました。