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2021年08月09日

情報は受け手の都合で都合よく解釈されるもの そのことを前提に有効な発信手法を探る

認知バイアスが避難の判断を誤らせる

自然災害が起こるたびに人的被害が発生するのはなぜなのか。行政やメディアから危険を知らせる情報を受けても、避難行動を取らない人が多いことが過去の災害から分かっています。危機に直面したとき、我々の判断を誤らせる原因の一つに、情報を自分に都合よく解釈してしまう「認知バイアス」があります。人的被害をなくすためには、災害と防災に関わる情報をどう伝えれば良いのか、「災害時の避難行動 〜災害情報の受け手に影響を与える認知バイアスとは〜」というテーマで研究を続けています。
 地震・津波だけではなく、風水害や土砂災害、火山災害の現場に赴き、被災者や行政職員などにヒアリングやアンケート調査をしていくうちに、人が危険を認知する際に起こるバイアスが、避難行動を取らない原因の一つと考えるようになりました。災害の犠牲者は自分が死ぬかもしれないと思って行動をしていません。地震で散らかった店内を片付けていたり、子どもを迎えに行こうとして津波に襲われたり、お客様や社員の安全を確保しようと現場にとどまって被害に遭ったり。平常時のモードや価値観に沿った対応をすることが、想像を超える被害に対する脆弱性となっているのです。

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