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2021年08月09日

情報は受け手の都合で都合よく解釈されるもの そのことを前提に有効な発信手法を探る

避難行動に直結する新しい伝達手段を模索

人は平常時の生活を続けたいという意識を持っています。しかし〝家を離れるのは辛い、心残りがある〞などという当たり前の意識を大幅に切り替えないと避難はできず、〝こうすれば絶対助かる〞という情報を明示しなければ避難行動に結びつきません。災害時に本当に逃げてもらえるための情報発信ができる体制を整えることが急務です。
 今までは防災無線やマスメディアで情報を広く平等に伝えることを重要視していましたが、直接的な避難行動に結び付く情報になっていませんでした。今後は情報の伝達時点で危機を感じてもらい、どんな行動をとれば命を守れるか、一人ひとりに明確なメッセージを伝えることを考えていくべきだと思います。例えば緊急に避難が必要なエリアにいる人に対して通信会社が一斉にスマホに警告を発し、安全なエリアに移動すれば警告が解除されるなど、今は無理でも10年後に実現できない技術ではないはずです。
 今後も引き続き、各個人が災害の危機対応を適切に行うことができるような情報提供のあり方を明らかにし、マスメディアやIT技術を活用して、より高度で実効的な防災情報を提供することを目指していきたいと考えています。

被災地で被災者や自治体に対して行ったヒアリングで得られた“声”を収録した報告書。災害現場で、必死で活路を見出そうとする人たちの工夫とノウハウを、次の災害のために記録していくのも大切なこと。

人文学部社会学科准教授
森岡 千穂 MORIOKA Chiho

略歴

1992年4 月 東京大学文科Ⅲ類 入学
1995年4 月 東京大学社会情報研究所教育部 入所
1996年3 月 東京大学文学部社会心理学科 卒業
1997年3 月 東京大学社会情報研究所教育部 修了
1997年4 月 (株)建設技術研究所東京支社情報技術部 入社
2001年4 月 京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻 修士課程 入学
2003年3 月 京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻 修士課程 修了
2003年4 月 東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻 社会情報学専門分野 博士課程 入学
2011年3 月 東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻 社会情報学専門分野 博士課程 修了
2011年4 月 松山大学人文学部社会学科 講師   
2013年4 月 松山大学人文学部社会学科 准教授

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.210でご覧いただけます。

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089-926-7140

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