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2022年01月17日

中国の貿易収支やGVCの分析から国際競争力の本質を考える

中国で進展している急速な産業の高度化

貿易収支やGVC(グローバル・バリューチェーン)、中間財(生産に必要な機械や設備)の現地調達という観点から、中国の国際競争力について分析しています。GVCとは、製品を市場に出す上で必要な、国境を越えた製造および調達のことをいいます。文系領域を専門として研究する自分には、製品の性能を見て技術水準を評価することはできません。しかし貿易収支やGVCを分析することで、世界各国が製造業の生産工程のどの部分を担当しているのか、国際競争力を高めているのはどこかなど、各国の製造業の技術水準を間接的に評価できます。
 中国などのアジア諸国には低賃金で調達できる豊富な労働力があり、外国企業が数多く進出して様々な製品が生産されています。しかし生産工程のうちで実際にそれらの国々が担っているのは、組み立てなどの付加価値が低い部門が中心。製品の生産に必要不可欠な部品や設備といった生産財は、外国からの輸入に依存していました。これはアジア諸国で主に高い技術レベルを必要としない工程が担われていることを示唆しています。
 しかし近年の中国は、国内で中間財を調達できるようになり、しかもその調達先の多くが地場企業です。これは高い付加価値を生む工程を中国が担えるようになってきたということであり、中国で産業高度化が進展していることを示しています。

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