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FOREFRONT マツダイ最前線
2022年01月17日

中国の貿易収支やGVCの分析から国際競争力の本質を考える

社会的背景が影響する興味深い中国経済

日本人(外国人)として中国を見ることで、他の国にはない中国の特徴が見えてきます。例えば中国には地元企業を優遇する地域保護主義があり、上海のタクシーは上海の自動車会社でつくられた車ばかりが走っているし、湖北省武漢市に行けば湖北製のタクシーばかりで、上海製のタクシーは一台も走っていません。このような現象は日本ではほとんど目にすることがなく、中国の急速な経済成長の背景として興味深いものです。他にも一党独裁で民主主義ではないのに経済成長が著しいことや、国有企業が必ずしも非効率ではないこと、知的財産権の保護が緩いのにイノベーションが活発に行われていることなども中国ならではの特徴です。
 松山市に住んでいても、様々な場面で外国との繋がりを実感します。スーパーには外国産の食材がたくさん売られているし、衣服は東南アジア諸国からの輸入が増加しています。このように外国からの輸入が増えていますが、日本の企業が全面的に衰退しているかと言えば、そうではありません。中国や東南アジア諸国で活動している愛媛県の企業も数多く存在し、日本企業の国際競争力の強さを感じます。このような状況を、貿易や企業の海外進出に関する研究を通じて、さらに考察を深めたいと思っています。

2019年9月に中国を訪れたときに撮影した江蘇省南京市の南京南駅。1990年代後半に開始された高速鉄道化計画により、車両や付帯の施設全体が革新的な発展を遂げている。

経済学部経済学科准教授
小林 拓磨 KOBAYASHI Takuma

略歴

2000 年 京都大学経済学部 卒業
2001 年 京都大学大学院経済学研究科修士課程 入学 
2004 年 京都大学大学院経済学研究科修士課程 修了
2004 年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程 入学
2016 年 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程 修了
2017 年 松山大学経済学部 講師
2018 年 松山大学経済学部准教授(現在に至る)

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.212でご覧いただけます。

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