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2023年01月23日

必要な時に必要な量を、狙った部分に正確に薬を届ける薬物送達システム

より安全で効果的な薬の開発に貢献する

①に関して、乾式コーティング法は健康被害につながるような有機溶媒を使用せずに、粒子の表面改質やコーティングを行うことが可能であり、DDSの基礎技術に応用できるものです。有機溶媒を使用することもある従来法より、服薬する人・製造する作業者ともに安全性を担保できるため、乾式コーティング法に対する注目度は非常に高く、研究内容に関しての特許取得や、製剤設計分野で有数の研究者、企業の開発担当者が執筆する書籍を分担執筆する機会にも恵まれました。②の直接粉末圧縮法は、混合した粉末をそのまま圧縮成形する製錠法です。日本では粉末を一度顆粒にしてから製剤する方法が採られていますが、顆粒にする工程を省くことで調製が簡便になり、コストも削減できることから、世界では直接粉末圧縮法が標準的に用いられています。直接粉末圧縮法という、より簡便な製錠法でコストを削減しつつ、長期間にわたり一定速度で薬物を放出する徐放性錠剤や、一定時間後に薬物をバースト放出する時限放出型有核錠、炭酸ガスの浮力を利用した胃内浮遊型錠剤など、患者志向の高機能性を付与した錠剤の開発を目的としています。③の研究では、新規添加剤の性能評価とそれを用いた剤形研究を行っています。製剤には様々な医薬品添加剤が用いられます。添加剤の性能を、固形製剤の製造工程における混合、造粒、乾燥といった各工程の操作でどのように利活用できるか、網羅的に検討を進める予定です。植物由来の次世代素材といわれているセルロースナノファイバーも添加剤のひとつで、全国屈指の紙生産地である愛媛県ならではの素材でもあり、応用展開を進めることで地域経済へも貢献できればと考えています。

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