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2023年04月28日

家庭における省エネ政策は本当に有効なのか、省エネ行動を継続させるためにはどうするか

時短は正義なのか?家庭内の行動に着目

「時間リバウンド効果」について、2016年に“食洗機”と“ネット注文配送”を対象にアンケート調査データに基づいて検証を行ったところ、どちらについても導入した場合には、家庭内での行動が統計的に有意に変化したことが確認されました。さらに、食洗機については、家庭内行動の変化を通して、エネルギー消費量を増加させる結果となり、時間リバウンド効果が日常生活の中に発生していることが分かりました。
 2020年にはロボット掃除機の導入実験を行いました。50世帯に配布し、配布しなかった250世帯と比較検証し、ロボット掃除機を配布した世帯で家庭内の行動が実験前後でどのように変化したか調査するものです。「掃除に費やしていた時間が生活を豊かにするために使われ、エネルギー消費量が増える」という時間リバウンド効果の仮説通り、ロボット掃除機の導入によってエネルギー消費量は増加しました。しかし、その増加はわずかなものでした。つまり、ロボット掃除機に任せることで、自由時間が生まれ、その時間を使った行動によってわずかですが、電力消費が増加したという結果です。
 今後、時短技術や時短サービスはますます開発・普及が進むと予想されます。例えば、自動運転技術が注目されていますが、これが現実的になれば、社会全体が大きな影響を受けると考えられます。時間リバウンド効果は、今後生活のさまざまな場面で発生してくることが予想されますので、その発生の有無や大きさを今後も検証していきたいと考えています。

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