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2023年04月28日

家庭における省エネ政策は本当に有効なのか、省エネ行動を継続させるためにはどうするか

より良い未来を残すための行動とは

「省エネ行動促進政策の検討」については、2030年までに家庭の温室効果ガス排出を66%削減するという目標が政府によって掲げられており、目標達成のためには家庭での省エネ行動を長期的に継続していく必要があります。省エネ行動に繋がる例として、電気料金の高騰による使用量の減少や、節電チャレンジに参加すればポイントを付与するといった外発的要因(罰則や褒賞)がありますが、一時的な効果はあっても継続を促すものではありません。
 組織行動論のなかに“自分の仕事の受益者と接することで内発的要因(自分の価値観)によりモチベーションが継続する”という概念がありますが、省エネ行動促進のような環境政策が「将来」の環境をよくすることが目的だということに着目し、受益者である小学生以下の子どもたちと日常的に接する機会があるほど省エネ行動を取る傾向があるかを1万4000世帯を対象にアンケートを実施し、そのデータを検証しているところです。
 家庭を対象にした省エネ行動の研究を中心に行っているので、時短製品やサービスを導入して生活の満足度を上げようとする時流のなか、時短を求めればエネルギー消費が増えることもあると個人レベルで認知してもらうことが研究目的のひとつにあります。さらにこれらの研究結果が温室効果ガス排出量削減やエネルギー供給不足の問題などの緩和策を提示できる可能性もあり、政府が方針や政策を決める際に考慮すべき指針として認知してもらえるようになればと願っています。


『The Power-Saving Behavior of Households ~How Should We Encourage Power Saving?(家庭の節電行動 ~節電はどうすればい いのか)』(共著)ほか、自身の研究を国内外へ向けて発表している。

経済学部経済学科教授
溝渕 健一 MIZOBUCHI Kenichi

略歴

2003年 同志社大学経済学部卒業
2008年 神戸大学経済学研究科 博士後期課程修了 博士(経済学)
2008年 松山大学経済学部講師
2010年 松山大学経済学部准教授
2017年 松山大学経済学部教授(現在に至る)

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.217でご覧いただけます。

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