
新井 雄喜 准教授
環境保全と人々の暮らしを両立させる方法を海外の現場から模索する
人文学部英語英米文学科 准教授
新井 雄喜 ARAI Yuki
略歴
2004年3月 早稲田大学政治経済学部卒業
2007年1月 カナダ アルバータ大学大学院農学生命環境科学研究科 修士課程修了
2007年4月~19年8月 独立行政法人 国際協力機構(JICA)(地球環境部、インドネシア事務所、ラオス事務所などで勤務)
2019年8月 東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程修了(農学博士)
2019年9月~22年3月 信州大学社会基盤研究所 助教
2022年4月~ 松山大学人文学部英語英米文学科 准教授(現在に至る)
環境破壊と貧困の連鎖を解消したい
近年、世界各国の海で環境破壊や漁業資源の乱獲が進み、魚やカニなどの漁獲量の激減が問題視されています。収入の多くを漁業資源に依存している零細漁民の暮らしは、一層困窮化が進んでいます。こうした中、海の生態系を守り漁業資源量の回復を図りながら、零細漁民の暮らしをより豊かにしていくためには、どのような資源管理手法や社会的な仕組みが必要なのか、タイ南部をフィールドとして研究しています。2007年から12年間、国際協力機構(JICA)で勤務し、アジア・アフリカ・中南米地域などにおける環境破壊や貧困の深刻な状況を目の当たりにしてきました。一方で、そうした国々においても見習うべきユニークな取り組みが行われ、他国との共有に値する手法が存在することも同時に見聞してきました。それらを学術的に研究することで、他地域が抱える類似した課題を解決していくことに役立てたいと考えたのが、この研究に取り組んだきっかけです。「農学や理工学系の分野では?」と不思議に思われることもありますが、英語英米文学科が目指すビジョンの一つには〝国際的な舞台で英語を使って活躍できる人材を育成する〞というものがあります。グローバルな課題についての研究と教育を実践できる教員のポストが公募されているのを知り、手を挙げて松山大学にやって来ました。
- 2011年、JICAでの活動中にウガンダの子どもたちと
- 2023年、タイ・トラン県の漁村での調査の 様子。新井准教授は「開発途上国の人々と交流していると、日本人が失いかけてしまっていることに気づかさ れ、人生観が変わることもある」と話す。