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2024年02月02日

制度の運用開始から一貫して追い続ける個別的労使紛争解決手続

裁判に頼らない労使紛争解決手続

大学院時代の授業で用いられたILO(※1)発行の各国の制度に関する文献により、労使紛争処理制度に興味を持ったことが私の研究の契機となりました。以来、現在に至るまで同じテーマで勉強を続けています。労働紛争処理制度は労働法の研究分野としてはマイナーな分野であり、当初は別のテーマも研究したほうが良いと諸先輩から御助言をいただいたこともありましたが、近年では、この分野の重要性が認められるようになってきていると感じています。
 日本では1990年代の初頭から「個別的労使紛争(※2)」の増加が認識され始めるようになりました。その背景には、労働組合の組織率の低下、集団から個別へと労務管理形態が変化してきたこと、正社員比率の低下、労働者の意識の変化など、様々な原因があります。個別的労使紛争を処理する制度に、訴訟という形を取らずあっせん(調停)で解決する「裁判外紛争解決手続(※3)(以下ADRと表記)」があり、2000年代に新たに運用が開始された労働委員会や労働局、裁判所などの公的制度によるADR、社労士会労働紛争解決センターや弁護士会紛争解決センターが行っている民間型ADRについて、それらの有効性を総括的に調査・研究しています。

(※1)国際労働機関
(※2)労働者個人と事業主との間で起こった労働関係に関するトラブル
(※3)裁判によらず公正中立な第三者が当事者間に入り、話し合いを通じて解決を図る。

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