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2025年01月31日

田村 祐介 講師

被評価者はどのように評価結果を納得するか

フィードバック探索行動とは、「価値ある目標状態を実現するために、自らの行動の正しさと適切さを判断することに向けた意図的な努力」と定義されています。自分の行動を修正するのみならず、評価結果に対する意味形成をも内包する行動であり、人事評価におけるフィードバックは、上司や人事などの評価者と部下などの被評価者が人事評価の結果や課題、改善策などを共有し合うことで、部下の成長促進や会社への貢献度を高めることを目的に行われています。
 先行研究では、被評価者が公正と思える人事評価制度が整っていれば、公正だと感じ評価を受け入れるとされています。しかし、制度の公正さとは別に「信頼できる上司の評価だから」「(良くも悪くも)あの人が評価をしたんだったら仕方がない」と受け入れてしまうなど、人的要因が関係している場合もあります。また、若手は「自分の努力に対して評価が低い」となりがちですが、少し年齢が上がって会社の全体像が見え始めると「会社の事情も理解できるし、妥当な評価だろう」となり、さらにキャリアが上がってくると「会社からの評価は低くても、取引先や同僚・部下たちからは評価されているから別にいい」「目標を達成したら、さらに高い目標を設定されるのだから、ほどほどにしておこう」など、キャリアによっても受け止め方に違いが生じてきます。
 人事評価は被評価者に評価を得るための努力を強いるためのものでもありますが、組織にとってはすべての人事管理のインプットとなるので、被評価者が公正な評価プロセスや評価結果に固執しようが固執しなかろうが必要なものです。他方で公正さが見いだせない人事評価は、被評価者に対する影響度合いが低下してしまいます。

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