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2016年04月01日

ホームレスの実態調査から見えてくる労働と貧困を含む社会構造の問題

ホームレス問題に関する調査への取り組み

私の行っている研究は「都市下層研究」で、特にこれまで大阪のホームレス問題を扱ってきました。私が大学院に入った当時は大阪市内でホームレスが急激に増えていた時期でした。所属していた研究室が大阪市からの依頼を受けて実態調査をすることになり、ホームレスの実数や生活場所、公園や河川敷に暮らす人たちへの聞き取りや市民に対する意識調査などに関わってきたことが、そのまま現在へと至っています。

ホームレスの存在は、ちょうど私が学生だった90年代中頃から注目され始めた社会問題です。日雇い労働者が多く暮らす大阪市の釜ヶ崎地区などで、景気後退や機械化の影響により仕事が減少した人たちがホームレス化し、住民がクレームをつけたことが注目され始めたきっかけでした。当時、メディアで社会の豊かさが唱えられる一方で、街中に出れば貧しくて家のない人の存在が目に入ってくることのギャップに不思議さを感じていました。また私自身が大阪府の出身で、子どものころ、釜ヶ崎地区を夜遅くまで歩いている人たちや地下街に並ぶダンボールの家を見て、幼いながらに疑問を感じていたことも研究を続けることになった一因かもしれません。

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