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2016年07月31日

ヒノキ科花粉を計測し統計学的に解析 飛散予測と初期療法の有効性を検証する

認知度が低い時代から始めた花粉症の研究

私が病院に勤務していた頃、スギ花粉症という病名は一般的に知られていませんでした。風邪をひいた上に、目が痒くなって辛いと相談されることが多くありました。この症状は花粉症の症状だったのですが、風邪薬で対処することで効果があるため、花粉症とは認識されませんでした。1989年に花粉や花粉症に詳しい大学教授、医師、薬剤師、検査技師、気象予報士が岡山県で「備讃空中花粉研究会」を設立。マスメディアを通し、広く県民に情報提供を開始したことがきっかけで、花粉症の研究を始めました。この研究会はNPO法人 花粉情報協会に所属する「中国四国空中花粉研究会」として再編され、現在は愛媛県を含む9県28施設に及んでいます。

1996年以降、松山市に飛散する1年間のヒノキ科花粉数(スギ属花粉、ヒノキ属花粉)を計測し、翌年に飛散する量を予測しています。ワセリンを塗布したスライドガラスに付着した花粉を、顕微鏡で種類ごとに数える地道で根気のいる作業ですが、現在は学生が手伝ってくれているので、ずいぶん助かっています。

また、ヒノキ科花粉症に対する初期療法の有効性についても共同研究しています。患者さんにアンケート調査を行うことで、治療満足度や薬剤の治療費用の負担額について検討しています。

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