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2023年09月07日

限られた史料から三貨流通動向を検証し、近世庶民の経済的発展の実態を明らかにする

権威ある学術賞、「日本学士院賞」を受賞

退職後に研究の集大成でもある『近世貨幣と経済発展』を上梓。その翌年には本書が「徳川賞」という日本近世を対象とする研究の年間最優秀作に選定され、さらに2年半後の今年、「日本学士院賞」という学術研究では最高の名誉ある賞をいただくことができました。喜びと同時に、他にも立派な研究成果を発表されている同学者と多く交流があるだけに「どうして自分が?」という複雑な気持ちです。その一方で、地方私立大学勤務では無縁の賞と思っていました。しかし、あらためて「授賞審査要旨」に目を通してみると、従来の貨幣史研究アプローチを脱するあらたな枠組みと、学界で求められてきた「貨幣の経済史」構
築により共有可能なデータが提示できたことが評価されており、自身でも納得できました。
 松山大学は地方私立大学ですが、学会・研究会へ参加できる機会も多く、他大学と比べて研究環境が決して劣っているとは思いません。私は本学赴任以来、学生部活動において柔道や剣道そして女子駅伝部等が全国一となった実績も目撃でき、頂点を目指して地道に努力する大切さを学ばせてもらいました。100周年を迎えた松山大学がこれまでの周年ごとに打ち出された一時的な決意表明のみで終わってしまうことのないよう、高みを目指し着実に努力を継続して発展してゆかれるよう願っています。

松山大学名誉教授 経済学博士
岩橋 勝 IWAHASHI Masaru

略歴

1964年 滋賀大学経済学部卒業
1967年 大阪大学大学院経済学研究科博士課程中退
1968年 大阪大学経済学部 助手
1969年 松山商科大学経済学部 講師(78年教授、89年校名変更にて松山大学)
1983年 大阪大学より経済学博士の学位授与
1988年 米国スタンフォード大学 客員研究員(1年間)
2000年 松山大学大学院経済学研究科 研究科長(2004年まで)
2012年 松山大学を退職、同名誉教授
2017年 関西大学経済政治研究所 非常勤研究員(現在に至る)

この記事は松山大学学園報「CREATION」NO.218でご覧いただけます。

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