指導計画・履修モデル
充実した教育課程と指導体制
本研究科では修士課程の教育は、修士論文を完成させるための入門的な科目として、社会学特論IとIIを必修とし、さらに高度で総合的な知識を身につけるために専門科目をおいています。専門科目は、各自の選択する履修モデルによって、各分野から5科目20単位を選択必修とし、修士論文の指導を行う課題演習へと体系的に編成されています。
(a)基礎科目
基礎科目は大学院の導入教育の科目で、必修です。ここで大学院における学習・研究の基本的な方法を学ぶとともに、研究活動に関わる包括的なオリエンテーションやサポートを行います。
専門科目として、(b) 理論分野、(c) 現代社会分野、(d) 福祉・臨床分野という、3つの専門的な科目領域を柱とした分野を設置しています。これにより院生の志望に合わせた履修が可能となります。この三つの柱の設定は学部教育における領域的編成との連続性を重視しています。以下、具体的な内容です。
(b)理論分野
理論分野は、コント、スペンサー、ウェーバー、マルクス、デュルケムに代表される、近代社会の生成期に生み出された古典的社会理論から、第2次世界大戦後の福祉国家体制を背景にしたパーソンズの社会システム論を経て、「ポストモダニテイ」、「高度近代」、「第二の近代」と称されるような現代における、ハバーマス、ギデンズ、ベック、ルーマン、ブルデュー等の現代社会理論にいたるパラダイムの差異と相互連関性について討究します。
(c)現代社会分野
現代社会は、近代の誕生以来、基幹的諸制度(国家・行政制度、経済・企業制度、学校・教育制度)によって支えられており、本研究科では、経済・企業制度、さらに学校・教育制度について学びます。
また、情報革命が進行し既存の諸制度に対して大きな変容をもたらしている現実について考察します。インターネットやケ一夕イといった新たなパーソナル・メディアだけでなく、テレビや新聞といった旧来のマス・メディアに関する議論も検討します。
グローバリゼーションを背景として、今日の地域社会は大きな変動期に直面しています。本研究科では、現在の尖端的な課題に応じた専門教育を、理論面および実証面で施していきます。これを通して、変動の最中にある地域行政を担う実務家、及び地域コミュニティにおいて諸課題に応ずるコミュニティ・リーダー、さらにNPOの主導者となるべき人材の育成をめざします。
(d)福祉・臨床分野
日本社会の高齢化・少子化を背景として、福祉と医療の領域が個人の人生にとっても大きなな比重を占めつつあります。こうした社会福祉や社会保障の動きに関して、制度的レベルはもちろん、実際の福祉サービスの実践場面についても実態を把握することをめざします。さらに、現実の社会的な苦悩や社会問題について、その問題を生きる当事者の体験に臨床的にアプローチする方法を検討します。
修士課程の履修モデル
本研究科修士課程では、大学院生の志望にしたがって4つの履修モデルを設定しています。
このモデルを参考にしながら、バランスよく履修してください。
(1)一般企業の組織管理・人的資源管理を志望する者、公務員(国家公務員および上級地方公務員、家庭裁判所調査官補等の各種専門職)を志望する者、中学校・高校の教員を志望する者
(2)社会福祉関連の職種を志望する者
(3)ジャーナリスト(新聞記者、放送記者、ディレクター、編集者など)を志望する者
(4)社会学研究者(博士後期課程進学)を志望する者
博士後期課程について
博士後期課程は研究者養成を眼目としているので、より高度な専門的授業科目として特殊演習を設置しています。特殊演習では博士論文指導教員の特殊演習を3年間にわたって履修します。博士後期課程研究指導教員が、それぞれの専門分野において博士論文の指導を行います。
コースワークとして設けられた特殊研究を履修し、専門領域以外の研究分野の最前線を学修します。このことによって、研究者としてのより広い視点と柔軟な思考の獲得をめざします。
さらに具体的な指導として、博士後期課程における基礎的な素養の習得の上に立って、個々の大学院生の研究分野における最新の論文について、英語文献を中心としたジャーナルを渉猟し、学会の中心的な議論のテーマをつねにフォローします。また、英語を中心とした外国語文献の解読能力を高めることをめざします。
また、博士後期課程3年間の研究計画を個別に作成し、1年ごとの到達目標を定め、学年の終了時に研究報告書を提出してもらいます。同時に社会学関連の学会に積極的に参加し、学会発表を積むことで、学内だけでなく、学会一般の評価を受ける機会を積極的に作っていきます。さらに学会発表を行った報告をもとに学術論文の作成に取り組み、学会誌に投稿します。また、付属施設である本学総合研究所の発行する『松山大学大学院松山論叢』と『松山大学論集』にも投稿します。
指導教員はこのプロセス全体にわたって適切な指導とサポートを行います。3年間にわたるこうした継続的な努力と研究蓄積を土台として、3年次4月に博士論文の題目と論文構成を提出し、9月に博士学位請求論文の提出となります。提出された学位論文は、学位論文審査会を経て、博士号審査に合格した場合、博士(社会学)が授与されます。
修士課程における研究指導計画
必修の課題演習では学位論文の完成を目指して、指導教員を中心とした2年間にわたる指導を受けます。学位論文の完成に向けては、論文審査の主査となる指導教員以外に、2名の副査教員も論文の作成に関わる助言や指導を行います。
修士課程における研究指導の流れ
入学試験時
1年次
4月 |
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9月 |
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2月 |
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2年次
4月 |
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6月 |
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9月 |
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1月 |
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2月 |
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博士後期課程における研究指導計画
博士後期課程は研究者養成を眼目としているので、より高度な専門的授業科目として特殊演習を設置しています。特殊演習では博士論文指導教員の特殊演習を3年間にわたって履修します。博士後期課程研究指導教員及び副指導教員となる教員が、それぞれの専門分野において博士論文の指導を行います。
博士後期課程における研究指導の流れ
入学試験時
1年次
4月 |
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9月 |
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2月 |
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2年次
4月 |
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9月 |
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2月 |
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3年次
4月 |
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9月 |
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10~2月 |
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社会人学生について
社会人学生の履修方法については、入学した大学院の状況に応じて、指導教員を中心とした助言をもとに、柔軟な履修計画を立てます。また、こうした相談と助言体制を支援するために、電子メールによるコミュニケーションを積極的に活用します。
昼夜開講制の具体的な実施方法として、個別の状況に応じて、平日夜間授業、土曜日授業、集中講義などを組み合わせた柔軟な教育研究体制を整え、必要な単位の取得の利便を図ります。
このため、平日は18時00分から、21時10分まで2コマの授業を行い、土曜日は通常の授業時間帯で授業を行います。また夏季の集中講義は、午前は9時00分から12時00分、午後は13時00分から17時30分まで授業を行います。以上のような授業の組み合わせを通して、1年間で20単位以上の履修が可能になります。
また、図書館は土曜日も含めて22時00分までの利用が可能です。生協食堂の利用についても、夜間授業に合わせて順次対応していく予定です。
- 電話
- 089-926-7137