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医療薬学研究科

研究トピックス

研究トピックス

薬品分析化学研究室
 明樂 一己 教授

薬品分析化学研究室では、分析技術を生かした医療薬学に関する研究を実施しています。主な研究テーマは、高速液体クロマトグラフ装置、核磁気共鳴装置、安定同位体などの特徴を利用した分析法の開発、および医療現場で薬剤師が遭遇する臨床疑問の解決に関する研究です。
 例えば、尿検体に含まれる代謝物を核磁気共鳴装置で網羅的に測定することによって、がん患者に特徴的な代謝変化を明らかにする研究を行っています。また、安定同位体 (13C) で位置選択的に標識した特定の基質を投与し、呼気中の13CO2 を測定する呼気試験の開発に関する研究を実施しています。呼気はあまり注目されてこなかった臨床検体ですが、この方法によれば、薬物代謝能や代謝異常などについて、全く新しい生体情報を簡便かつ非侵襲的に得られる可能性があります。一方、院内製剤の品質評価や医療従事者の抗がん薬暴露を防止するための方法など、実務・臨床に直結した課題にも取り組んでいます。
 当研究室では、これらのテーマについて、他大学や医療機関との共同研究を積極的に行い、高度な分析化学的素養を身につけて医療薬学分野の課題を科学的に解決できる研究者・医療人の養成を目指しています。


医療薬学研究室
 渡邉 真一 准教授

我々は臨床上の課題や問題点(クリニカルクエスチョン)の解決に結びつくような研究を行っています。主にがん治療に伴って生じる粘膜炎の研究や、感染制御に関する研究に力を注いでいます。放射線や抗がん剤による治療の副作用の一つである口腔粘膜炎(口内炎)は、重度の仏痛を伴うことから食事摂取量の減少やコミュニケーション機能の低下など、患者の QOL を著しく低下させる要因となっています。私たちはハムスターやマウス用いて、粘膜炎のモデルを作製することにより諸種化合物の評価や重症化する機序の解明を行っています。現在は複数の製薬企業や医療機器メーカーと協力して新規治療法の開発にも取り組んでいます。「研究」となると難しいイメージが付いてくるかもしれませんが、身近なところにクリニカルクエスチョンは存在していると思います。難しい基礎研究のみではなく、簡単にできる調査から研究に結びつけるような取り組みも行っています。新しいことにチャレンジし、これまでわからなかったことが明らかになるかも、と思うとワクワクしませんか?私たちは少しでも臨床における問題を解決し、還元出来るような研究が出来ればと思い、日々取り組んでいます。


衛生化学研究室
舟橋 達也 教授

衛生化学研究室では病原性細菌、特に日和見感染菌や食中毒細菌の鉄獲得機構に関する研究を行っています。医療現場では日和見感染菌の抗生物質多剤耐性化が問題となっており、治療困難になる事例が多数報告されるようになってきました。本研究室では、新たな感染症治療薬のターゲットや食中毒細菌の増殖抑制にもなりうる細菌の鉄獲得機構を研究対象としています。ヒトと同様に、細菌においても鉄は生存、増殖のために必須の元素です。しかし、ヒトの体内においては細菌が容易に利用可能な遊離鉄濃度は極めて低いレベルに維持されており、鉄の多くはヘモグロビンやトランスフェリンなどの生体内鉄結合タンパク質として存在しています。病原性細菌はそのような環境下で生存、増殖するために多様な鉄獲得系を有しています。その1つがシデロフォア(三価鉄キレート分子)を介する鉄獲得機構です。これまでに、病原ビブリオやアシネトバクター属菌からシデロフォアを単離し、その構造を決定しました。現在は、シデロフォアを介する鉄獲得機構の分子遺伝学的解析やその転写調節機構に関する研究を行っています。今後も病原性細菌における鉄獲得機構の研究から新たな感染症治療薬の開発や食中毒を防止する新たな手法を提供するための基盤となる研究を進めていきたいと考えています。


医薬情報解析学研究室
髙取 真吾 教授

医薬情報解析学研究室では、臨床現場の様々な問題点をテーマとした臨床・基礎研究を行っています。
 愛媛大学病院薬剤部との共同臨床研究では、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬がオキサリプラチンにより誘発される末梢神経障害の発症を有意に抑制することを世界で初めて証明しました。現在、多施設共同による後方視的研究(研究代表者:髙取真吾)を開始し、オキサリプラチンやその他抗がん剤誘発末梢神経障害に対するRAS阻害薬の抑制効果について更なるエビデンスを蓄積しています。また、2型糖尿病患者におけるDPP-4阻害薬の臨床効果に影響を及ぼす患者背景因子も新規に同定し、適正かつ安全な薬物治療の推進に貢献できています。
 さらに、抗がん剤により惹起される高血圧の発症メカニズムの解明や炎症性大腸疾患の発症・進展における大腸血管周囲神経機能・分布変化について基礎的な検討を行っています。我々が取り組んでいる臨床・基礎研究の最終目標は、「病に苦しむ患者さんを幸せにすること」です。臨床現場において、解決できずに放置されているもしくは何とかしたいがその解決方法が分からない問題点を我々と共に解決し、世界中の患者さんを幸せにしてあげたいと思いませんか?

愛媛県病薬会誌<松大トピックス>

薬品分析化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻134(2023)
有機合成のチカラを分析化学に利用する ~ 新たな13C呼気試験の開発研究 ~

 

 

 


生理化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻133(2023)
腫瘍随伴マクロファージが分泌するプロサポシンによる癌進展作用

 

 


薬品物理化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻132(2022)
シトクロムP450の作用機構に関する計算化学的研究

 

 


医薬情報解析学研究室
愛媛県病薬会誌通巻131(2022)
大規模医療情報データベースを用いたドラッグリポジショニング研究

 

 


衛生化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻130(2021)
病原細菌の鉄制限ストレス適応

 

 


生物物理化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻129(2021)
新規光遺伝学ツール開発に向けた微生物型ロドプシンの機能解析

 

 


生理化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻128(2020)
神経特異的遺伝子ノックアウトマウスを用いて精神疾患発症機構を解明する

 

 


製剤学研究室
愛媛県病薬会誌通巻127(2020)
患者指向性製剤への応用に向けた薬物放出制御粒子の乾式コーティングによる調製

 

 


医療薬学研究室
愛媛県病薬会誌通巻126(2019)
クリニカルクエスチョンの解決に結びつく研究の実績

 

 


医薬情報解析学研究室
愛媛県病薬会誌通巻125(2019)
 
 
 
 

感染症学研究室
 
 
 

生薬学研究室
 
 
 
 

薬品分析化学研究室
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

衛生化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻117(2015)
 
 

 

 
 
 

生化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻116(2015)
 
 
 
 

 有機化学研究室
愛媛県病薬会誌通巻116(2015)
 
 
 
 
 
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