あいさつ
専門的な能力をもった教養人に
本学は、1923年に松山高等商業学校として創立されました。戦後は、松山商科大学として、経済・経営系の単科大学として歩んできました。そうした中、進学率の高まりなどを背景とし、地域の要望に応えるため、新たな学部として人文学部が1974年に設置されました。この人文学部開設は、今日の総合大学としての松山大学へ至る、飛躍の第一歩となるものでした。その後も、法学部、薬学部が開設されていき、昨年(2023年)は松山大学創立100周年を祝うことができました。そして、今年度(2024年)は、人文学部創設50周年という記念すべき年を迎えることとなりました。
人文学部は、創設時から今日まで、英語英米文学科と社会学科の2学科体制でこれまで歩んでまいりました。その中で英語英米文学科は、この半世紀、グローバリゼーションの進行とともに歩んできたといえると思います。国際感覚に優れ、高いコミュニケーション能力を備えた教養人を養成せんと努力してきたのです。そのために、英語英米文学科では、「英米文学・英米文化」「言語学・英語学」「英語教育学」の3つの専門領域を用意しています。
英語英米文学科の勉学上の特徴として、まず入学当初に行われる「フレッシュマンキャンプ」があります。これは、他のどの学部学科にもない取り組みです。入学したばかりの新入生に加え、教員と上級生有志が参加し、1泊2日の合宿形式で行われています。英語を使ったグループ対抗ミニゲームなどがあり、友人関係の形成がいちはやくできる機会となり、参加した新入生から好評を得ています。また、上級生からは学生生活に関する情報を得ることができ、新しい環境に適応しやすくなっています。もちろん、教員との距離の近さも、新入生には魅力となることでしょう。本線の英語学習では、生の英語や最新の文化に触れるために、ネイティブ・スピーカーの教員による必修授業 (EIC) が3年生まであります。TOEICやGTECなどの英語の資格試験に対応すべく、コンピュータを用いた英語学習システム (CALL) を採用するなどして、高度かつ実用的な英語運用能力の養成も目指されています。
2年次の必修科目には、イギリス研究I・II、アメリカ研究I・IIを配置されています。これには、異文化への理解と関心を高めてもらいたいとの願いが込められています。その延長線上に、長期、短期の留学プログラムが各種用意されています。これを利用して、毎年、英語英米文学科の多くの学生が海外留学に赴いています。若いときに、異なる文化の中に実際に身を置くことは、人生の中で得るものが大きいと考えています。その上で、4年間の学習成果の集大成として、卒業論文または卒業研究を作り上げていくという課程になっています。
最後に、英語英米文学科の学生にみなさんに申し上げたいことは、単に英語の読み書きができるということで、卒業していただきたくないということです。英語の運用能力に加えて、自分の興味関心のある分野、あるいは自分がもつ特別の技能を、ぜひ在学中に磨いていただきたいと思います。その自分独自の領域をもって、世界各国の人々と交流を深め、日本、また国際社会に貢献できる人となって社会に出ていってもらえればと思います。その道具として、存分に英語に関する能力を活かしてもらえばと思います。教員一同、みなさんに力添えできるように頑張っていきます。
人文学部長 市川 正彦
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